環農水研食品技術ニュース第 46号 2022年5月13日配信

食品の品質劣化評価試験例 利用できる機器

 食品の品質劣化を抑えるため、原料や添加物、容器包装資材を適切に選択したり、加工や保存・流通に関する様々な技術開発や研究がなされています。
 品質劣化評価には、外観観察や食味検査、糖やビタミン、色素などの成分分析、そして衛生指標となる微生物数調査といった評価項目があります。

 評価項目例としては、外観観察 見た目(色、つや、萎縮、褐変、カビ、ドリップ等)、におい(異臭等)、触感(硬さ等)、食味検査 味、香り、食感等、成分分析 水分量、糖、ビタミン、有機酸、色素、遊離アミノ酸等、その他 微生物数調査、物性測定(硬さ、粘り等)があります。

 今回は、環農水研で実施した小型人工気象器を用いた光照射下での色調保持試験(外観観察)の例をご紹介します。


光照射下での色調保持試験例 

 無処理及び製剤処理したおくら調理品を光照射下で保存し、製剤の変色・退色抑制効果を外観観察を写真撮影により評価しました。

 保存時の環境設定は温度10℃、光照射2500luxで、無処理区と製剤処理区について、処理後0日後と3日後を観察しました。

 保存には、小型人工気象器(グロースチャンバー)を用いました。小型人工気象器は、人工環境下で、植物を生育するため等に用いられ、温度、湿度、照度、
明暗サイクル等を調節することができます。


終わりに
食品に関する技術支援制度
 環農水研では、府内の食品関連事業者・農林漁業者の皆様が自社製品を開発・改良する際にご使用いただける、多様な加工機器や分析機器をご用意しています。
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