公開日 2022年03月25日
柴尾学総括研究員が、難防除害虫アザミウマ類の発生生態の解明と総合防除法の開発に取り組んだ功績により、「日本応用動物昆虫学会 学会賞」を受賞しました!日本応用動物昆虫学会は会員数約1,700名の日本を代表する応用系の昆虫学会です。研究成果は全国の研究者および普及指導員等の技術者に活用され、農業現場におけるアザミウマ類防除対策に貢献しています。
受賞概要
【受賞者】
食と農の研究部 総括研究員兼園芸グループリーダー 柴尾 学(しばお まなぶ)
【業績名】
アザミウマ類の生態解明と総合防除法の開発に関する一連の研究
【業績概要】
多くの野菜、果樹、花きなどを加害する難防除害虫アザミウマ類の発生生態の解明と総合防除技術の開発に取り組んだ。農業現場で問題になるアザミウマ類について、これまでに日本応用動物昆虫学会誌を中心に50報を超える論文を発表した。
どのような研究内容が評価されたの?
アザミウマ類に関する多くの研究成果のうち、チャノキイロアザミウマに関する研究では、ブドウでの生物学的特性に基づく発生予察手法の開発や要防除水準の設定を行うとともに、捕食性および寄生性天敵の発生生態を解明し、それらを活用した防除技術を開発しました。
また、ミナミキイロアザミウマに関する研究では、捕食
性天敵と天敵微生物を組み合わせた施設ナス・キュウリの総合管理体系を確立するとともに、赤色LED光と光反射シートを利用した新しい防除技術を開発しました。赤色LEDによる防除技術は2020年農業技術10大ニュースの第3位に選定され、生産現場からも高い評価を得ました。
ミナミキイロアザミウマ 赤色LED装置を設置した施設
研究成果はどのように活用できる?
得られた研究成果は大学、農研機構、都道府県など公的研究機関の研究者、大阪府をはじめ全国の普及指導員等の技術者に利用され、農業現場におけるアザミウマ類の対策に活用されています。また、2016年には「アザミウマ防除ハンドブック」(農山漁村文化協会)が出版され、生産者への防除技術の普及が進んでいます。
今後の展望は?
アザミウマ類だけでなく、他の難防除害虫についても発生生態の解明と防除対策の開発を進め、環境に配慮した総合防除法の開発に取り組んでいきます。
研究内容の詳細は大阪府立環境農林水産総合研究所までお問合せください。
左:柴尾 学 総括研究員 右:石井 実 理事長 受賞記念メダル
添付資料
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