公開日 2022年10月05日
環農水研では、情報通信技術(ICT)等を活用して、省力化や高品質化、増収等を実現するスマート農業を推進するため、様々な研究開発を実施しています。
このたび、施設園芸における儲かる農業の実践を目的として、「大阪府スマート農業交流会」を8月19日に大阪府と共同で開催しました。
第1部は、高知県農業振興部 岡林俊宏IoP推進監と小笠原香チーフを講師にお招きし、「IoTで繋がる施設園芸」と題し、データ駆動型農業の先進県である高知県の取組み内容と県の推進体制をご説明いただきました。
施設栽培における環境制御技術の必要性と、導入効果についてお話があり、参加者からはコスト面や収量データの取得方法等に関する質問がありました。
第1部講演の様子
第2部では、まず「府内におけるデータ駆動型農業の現状」として、環農水研、大阪府北部農と緑の総合事務所から水ナス、イチゴの取組み状況を紹介しました。
水ナスでは泉州地域6ほ場のモニタリング状況とデータ収集上の課題等、イチゴでは北摂地域7ほ場のモニタリング状況とその結果、今後のデータの活用方法等の説明がありました。
続いて、「高知春野におけるデータ駆動型農業の実践と展開」と題し、JA高知県春野胡瓜部会副会長の越智史雄氏と高知県高知農業改良普及所普及指導員の戸梶加奈子氏より講演いただきました。
データを活用した栽培シミュレーションの取組みについて紹介があり、栽培環境データを取得し、過去・他者の状況と比較分析・活用することの重要性、データの取得・分析により経験の蓄積が早まり、勘をしっかりと働かせた農業に取り組むことができるとのお話がありました。参加していた水ナス生産者からは、収量だけでなく、品質についての解析の必要性に関する質問がありました。
第2部講演の様子
第2部の後半は、スマート農業に関連する機器等のメーカーが展示ブースを設置し、参加者との交流会を行いました。
参加者は関心のあるブースを訪れ、機器に関する説明を受けたり、メーカー担当者に熱心に質問を行う姿が見られました。
第2部 展示ブース見学の様子
今回の交流会を通じ、府内で施設園芸に取り組む農業者がスマート農業への理解を深め、経営改善に向けた一助となることを期待しています。
環農水研では、今後も大阪府に適したスマート農業を推進するための調査研究に取り組んでいきます。
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