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スイゲンゼニタナゴ

本亜種はコイ科タナゴ亜科に属し、カゼトゲタナゴと亜種関係にあるとされる。カゼトゲタナゴとは酷似しており判別は難しいが、本亜種の体側に入る青い縦条の前端がカゼトゲトゲタナゴでは細く始まるのに対して本亜種はやや太いことや、カゼトゲタナゴに比べて体高が高いことなどで見分ける(スイゲンゼニタナゴとカゼトゲタナゴの区別点)。また本亜種は吻端が丸く口が端下位に向かう傾向が強い。 同じバラタナゴ属のニッポンバラタナゴやタイリクバラタナゴとも似る。
兵庫県千種川から広島県芦田川にかけての山陽地方に分布し、朝鮮半島西南部に分布する個体群も本亜種とされている。名前の由来は朝鮮半島の個体群が最初に発見された韓国の地名 水原(スイゲン)にちなむ。水の澄んだ平地の河川や本流とつながる灌漑用水路などに生息し、小型の昆虫などを食べているようである。産卵期は4~7月(岡山県旭川の事例)で、メス(※1)はイシガイやマツカサガイ(※2)などの二枚貝に卵を産みつける。受精後35時間程度でふ化し、ふ化した仔魚は貝内にとどまってふ化後約2 0日で浮上する。ふ化後一年で成熟する。
農業用水の工事や河川改修事業の影響から激減し、2002年に国内希少野生動植物種(環境省;種の保存法)に、また環境省レッドリスト2020の「絶滅危惧ⅠA類」に指定されている。

(※1)メス

(※2)マツカサガイ
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