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ミヤコタナゴ

本種はコイ科タナゴ亜科に属し、茨城県を除く関東地方に分布する日本固有種。丘陵や平野部の水のきれいな細流やため池などに生息する。
昭和49年に種指定の天然記念物(文化庁・文化財保護法)、平成6年に国内希少野生動植物(環境省・種の保存法)に指定されている。アブラボテやヤリタナゴと近縁で、やはりヒゲ(※1)は長い。また、アブラボテの仲間はいずれも、背ビレの条間膜に紡錘形の暗色斑紋(※2)をもつ特徴がある。雑食性で、産卵期は4-7月。産卵期のオスは、写真の個体のように体色がオレンジと紫に染まり、ヒレも白、黒、オレンジに彩られて吻端には追星を生じる。メス(※3)は地味な銀白色で、他のタナゴ同様に生きた二枚貝に産卵するが、特にマツカサガイ(※4)やカワシンジュガイを好む。水温22-23℃で、まる2日程度でふ化して20日程度を貝の中ですごした後に浮出する。大半の生息場所では個体数が減少し、環境省のレッドリストでは絶滅のおそれがもっとも高い絶滅危惧ⅠA類に指定されている。

(※1)ヒゲ

(※2)暗色斑紋

(※3)メス

(※4)マツカサガイ
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