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ヤ行
ヤリタナゴ

本種はコイ科タナゴ亜科に属する。 日本産タナゴ類のなかではもっとも広く分布し、北海道と九州南部を除く日本各地に分布。 国外では朝鮮半島の西岸に分布。アブラボテやミヤコタナゴに近縁で、本種を含め、これらのタナゴは背ビレの条間膜に紡錘形の暗色斑紋(※1)をもち、口ひげ(※2)が長い特徴をもつ。平野部の河川、浅い湖、池沼などに生息する。タナゴ類の中でも比較的流れのある場所を好み、砂礫底によく見られる。 雑食性で、付着藻類・底生植物などを食べる。
比較的大型で、大きいものでは全長10cm以上になる。産卵期は4~8月で、雄はマツカサガイ(※3)やニセマツカサガイなど二枚貝になわばりをつくり、雌に産卵させる。婚姻色の出た雄は写真の個体のように、背部が暗色、体側が輝緑色、頬部と腹部が朱色になり、背鰭と臀鰭に朱色の幅広い縦帯が出て縁辺には細い黒縁が出る。雌(※4)はこのような婚姻色はでない。 環境省レッドリスト2020「準絶滅危惧」、大阪府レッドリスト2014では「絶滅危惧Ⅰ類」。

(※1)暗色斑紋

(※2)口ひげ

(※3)マツカサガイ

(※4)雌
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