大阪府立環境農林水産総合研究所

環境研究部 自然環境グループ

 

グループの紹介

 大阪府域の生物多様性保全に関する調査研究を行っています。また、研究成果の普及や啓発にも取組んでいます。

 

 生物多様性の保全には、府民の皆さんをはじめ、学校や企業など、多様な主体の連携が必要となります。私たちと一緒に、大阪の自然や生き物を守る取組を始めてみませんか。

 

 自然環境グループリーダー 石井 亘

 

オリジナルコンテンツ

 

担当分野

  • [環境]野生動植物の調査・保全
    • イタセンパラやアジメドジョウなどの水生生物、シカやイノシシなどの野生鳥獣、和泉葛城山ブナ林などの森林植生など、府域における野生動植物の生息状況の把握や、生息・生育環境の保全、希少種の生息域外での保全に関する調査研究をしています。
  • [環境]外来生物の影響調査と対策
    • クビアカツヤカミキリなどの外来昆虫、コクチバスやチャネルキャットフィッシュなどの外来魚、アライグマやヌートリアなどの外来哺乳類などを対象に、外来生物の侵入状況や、在来生物および生態系に及ぼす影響、さらにその影響を回避するための対策について調査研究をしています。
  • [環境][水産]府民の安心安全を守る取組
    • 森林の防災機能やグリーンインフラをふまえた災害に強い森づくりや野生鳥獣害対策に関する試験研究、異常水質事故の原因調査などの危機管理対応をしています。また、内水面漁業を行う河川の漁業組合や、ため池のカワチブナ養殖業者への支援として河川環境調査、魚病検査、貝毒原因プランクトン調査などを行っています。
  • [環境]生物多様性活動支援・技術普及
    • 生物多様性に関する教材の作成、市町村担当職員等を対象とした緑化技術等研修会の開催、生物多様性センターでの企画展示、談話会、各種イベントの開催等により、生物多様性教育や技術普及を行っています。また、「おおさか生物多様性リンク」による多様な主体との連携、学校や企業等からの研修受け入れを通じて生物多様性保全に関する活動の提案や支援をしています。

共同研究実績

〈希少種関連〉

  • [環境]大阪大学 吹田・豊中キャンパス周辺におけるホンドギツネ生息実態の解明(大阪大学、大阪自然環境保全協会、2021)

  • [環境][水産]琵琶湖淀川水系における魚類・二枚貝の分布および多様性情報の収集(国立環境研究所2019~2020)
  • [環境]淀川のアユに関する研究(京都大学・神戸大学・建設技術研究所 2019~2021)

〈外来種関連〉

  • [環境]特定外来生物クビアカツヤカミキリの新たな定着地の早期発見・早期駆除システムの開発(森林総合研究所、2022~)
  • [環境]微量糞便DNAマーカーによる在来および外来野生動物の繁殖分布と完成生態の解明(大阪府立大学、2021~2023)
  • [環境]特定外来生物ヌートリアによる貝捕食の実態および発生メカニズムの解明(総合地球環境学研究所、2019~2020)

〈獣害対策〉

  • [環境]鳥獣被害対策のための個体数推定技術開発に関する研究(株式会社KANSOテクノス、2022~)
  • [環境]多元素同位体地図解析手法を開発し、シカなどの草食獣の生態解明に活用する研究 (総合地球環境学研究所・ユタ大学 2020~)
  • [環境]ボトムアップ効果を考慮したシカ個体数変動要因の解明-複数時間スケールでの評価(総合地球環境学研究所、2018~2021)
  • [環境]イノシシによる土壌撹乱が引き起こす土壌動物群集の変化を安定同位体比によって簡易に計測する手法の開発 (同志社大学理工学部 2019~2022)
  • [環境]日本のシカ-植生モニタリング調査(2009,2018)からみた地域の生物多様性保全研究(大阪産業大学ほか、2017~2019)

〈その他〉

  • [環境]都市とその周辺地域を対象とした統合評価・シナリオ分析と社会適用(大阪公立大学、大阪産業大学、神戸大学等、2023~)
  • [環境]コイをモデルとした環境DNAによる産卵検出に関する研究(神戸大学、2021)
  • [環境][水産]マイクロプラスチックが淀川ワンドにおける⼆枚貝とタナゴ類の生態系に及ぼす影響(京都大学、2019~)
  • [環境]調整池設置型硝化/アナモックスシステムによる海面埋立管理型処分場浸出水の窒素低減技術の開発(和歌山県工業技術センター、崇城大学、中央大学、2018~2019)

調査研究成果

その他詳細は、生物多様性センターの「調査研究課題・成果」のページをご覧ください

主な業績

〈論文等〉

〈希少種関連〉

  • 山本(2023)環境DNAを用いた魚類分布調査.國立公園816:18.

  • 山本ほか(2023)大阪府道頓堀川におけるニホンウナギの標本に基づく初記録および耳石分析.Ichthy, Natural History of Fishes of Japan.30: 1-5.
  • 幸田(2022)大阪府内でのニホンカモシカの初記録. Nature Study. 68(8): 2-3.
  • 瀬口・山本(共同第一著者)ほか(2021)淀川大堰湛水域における琵琶湖産アユの河川残留個体の存在.魚類学雑誌 68(2):163–172.
  • 上原(2020)イタセンパラ 保全の取り組み. 第28回滋賀県立琵琶湖博物館企画展示解説書 「守りたい!少なくなった生き物たち -未来につなぐ地域の宝物-」.
  • 上原(2020)淀川の城北ワンド群における外来生物駆除の取り組みの現状. 第50回大阪市立自然史博物館特別展解説書「知るからはじめる外来生物 ~未来へつなぐ地域の自然~」.
  • 上原(2019)淀川の大規模河川改修が淡水魚類相に与えた影響. 地域自然史と保全.  41(2);121-130.

〈外来種関連〉

  • 石塚・山本・幸田・原口・山口・相子・上原・平松 (2023)堺市の農業用ため池・水路における外来生物 アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の成体・幼生の記録.大阪府立環農水研報 8 :1-5.
  • 石塚・山本・幸田・近藤・原口 (2022)特定外来生物ヌートリアによる貝捕食の評価:炭素窒素安定同位体分析によるアプローチ.自然保護助成基金助成成果報告書 31: 20-29.
  • 石塚・幸田・松本(2021)大阪府における誘引餌に対するアライグマの行動の秋期から冬期における季節的・時間的変動.地域自然史と保全.43:45-52.
  • 山本(2021)城北ワンドでプレコを発見. Nature Study. 67(12): 12.
  • 山本・石川・上原・吉村(2020)Feeding locations of the red-necked longhorn beetle Aromia bungii larvae inside trees of Rosaceae family. Jpn. J. Environ. Entomol. Zool. 31(4):123-131.

〈獣害対策関連〉

  • 幸田(2022)Effects of sika deer and the unique relationship with forest vegetation in Yakushima Island. Kaji K, Uno H, Iijima H (Eds). Sika Deer: Life History Plasticity and Management. pp. 341-355. Springer.
  • 幸田(2022)コロナ禍で見えてくる野生鳥獣管理の重要性. JATAFFジャーナル. 10(9): 57.
  • 幸田(2022)大阪府におけるシカ・イノシシの現状―近年の大きな変化を中心に―. 都市と自然. 532: 8-9.
  • 幸田(2022)鳥獣被害問題の解決に向けて:目指すべきシカ生息密度と被害対策を探る. JATAFFジャーナル. 10(4): 11-17.
  • 幸田(2021)迫りくる獣害問題:大阪府における野生動物の生息状況と被害状況. 環動昆. 32: 137-142.
  • 幸田(2020)シカ生息密度と農業被害・森林植生状況の関係解析. 現代林業. 647: 38-42.
  • 幸田・石塚 (2019) シカ生息密度と農業被害・森林植生状況の関係解析. 公立林業試験研究機関研究成果選集. 16: 19-20.

〈その他〉

  • 土井・石井・伊藤(2022)大阪府における流木対策事業の効果検証. 令和3年度第61回治山研究発表会論文集: 20-26.
  • 上原(2020)巻頭言 地方行政において生物多様性の主流化は進んでいるか. 地域自然史と保全 42(2): 71 - 72. 
  • 幸田・池口・上原(2020)背中の赤いアカハライモリを発見. Nature study. 66: 17.
  • 相子ほか(2020)淀川ワンドの底泥と二枚貝におけるマイクロプラスチックの汚染実態.環境技術. 49(6): 311-315.
  • 相子ほか (2019) Accumulation of anammox sludge from leachate of adjustment reservoir of controlled final landfill site,Proceedings of the 4th International Anammox Symposium IANAS2019,113-118.
  • 上森・幸田・奥田 (2019) 竹林と木竹混交林におけるモウソウチク伐採後初期段階の樹木の定着状況. 地域自然史と保全. 41: 23-36.
  • 土井・伊藤(2019)大阪府における流木対策事業効果検証調査について.第54回近畿・中国・四国地区治山林道研究発表会発表論文集.55-57.

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