公開日 2025年12月02日
環農水研では、本格的に農業に取組む方や、家庭園芸を楽しむ方に、栽培や管理のポイントを伝える「農業園芸セミナー」を開催しています。
2025年11月28日(金曜日)に今年度第3回のセミナーを開催し、43名のみなさまが参加くださいました。
今回は「冬場の果樹の管理」をテーマとして、剪定や施肥など秋から冬の果樹の管理について、田所研究員が詳しく解説しました。
果樹の剪定で悩む人が多かったのですが、どの枝のどの部分に実がなるかという「結果習性」について理解することが重要だという説明を参加者は熱心に聞き入っていました。
参加者からのアンケートでは、「みかんの剪定法を学ぶことができた」などの回答をいただきました。
今年は、合計4回の農業園芸セミナーの開催を予定しております。(詳しくはこちらから)
皆様のご参加をお待ちしております。
講師を務める田所研究員
【主な質疑応答】
Q1「実がならないのはどうして?」
A1:非常に多い質問で、次のような原因が考えられます。
1:樹が若すぎる。
比較的成長が早いいちじく、ぶどうでも植えてから3~4年、かんきつ類では5~10年たたないと実がなりません。
2:授粉樹がない。
キウイフルーツなど雌雄異株の果樹、くり・かき・ブルーベリーなど自家不和合性の果樹、南高梅・白桃など花粉がない品種などでは、授粉樹がないと花が咲いても実がなりません。
間伐をするときに、うっかり授粉樹を切ってしまうこともありますので注意してください。
3:剪定の方法を間違って花芽を切ってしまった。
かきなどでは、今年伸びた枝の先端部分にしか花芽(混合花芽)がつきません。今年伸びた枝の先を剪定してしまうと花も咲かず実もなりません。
ご相談を受けると1~3が原因のことが多いです。その他として、病害虫や天候影響、樹勢が強すぎたり弱すぎたりしても実がなりません。
Q2「ぶどうの棚仕立て、垣根仕立てでどのような違いがあるか」
A2:棚仕立ての方が、1樹あたりが大きくなり、樹勢のコントロールがしやすくなります。
垣根仕立ては、作業が楽になるのですが、樹勢のコントロールが難しくなり、また房の形を整えるのが難しい場合があります。
ワイン用など加工用のぶどう栽培が多いヨーロッパでは垣根仕立てが多いようですが、生食用ぶどうの生産が多い大阪では棚仕立てが一般的です。
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