大阪府立環境農林水産総合研究所

 

[総合]【農林水産技術会議『2018年農業技術10大ニュース』に選定】 昆虫「アメリカミズアブ」を活用した食品残さリサイクルの研究

公開日 2018年12月21日

 当研究所では、社会的な課題となっている食品ロスなどの問題を解決するため、食品残さのリサイクルに関する研究に取り組んでいます。

 中でも、昆虫「アメリカミズアブ(※1 以下ミズアブ)」を活用した、食品残さなどの未利用バイオマス資源を高タンパクな飼料や肥料に再活用する研究を、国研究機関や大学とともに2013年より着手し、ミズアブ幼虫の安定生産や処理システムを構築することができました。

 現在、飼料メーカーや食品事業者らと連携し、食品残さの受け入れ実験プラントの整備を進めるとともに、試験研究から社会実装に向けコストの低減を図っています。これらの成果をもとに近い将来、各地にミズアブ処理プラントの拡大を計画しています。

 このたび、本研究が内容に優れ社会的にも関心が高いものとして農林水産技術会議の『農林水産技術会議の2018年農業技術10大ニュース(※2)』の1つに選ばれました。

 大阪・関西万博のサブテーマである「持続可能な社会・経済システム」の実現のため、当研究所では、今後も昆虫が持つ能力を活用した新しい資源循環の研究に取り組んでまいります。

 

 

ミズアブ(成虫)

▲ミズアブ(成虫)

食品残さを処理中の幼虫

▲食品残さを処理中の幼虫

 

 

(※1)アメリカミズアブ:北米原産の双翅目昆虫で、戦後間もなく日本国内に定着した、人間・農作物に害を及ぼさない安全な昆虫。幼虫は、餌として食べた食品残さや家畜ふんに含まれる窒素などをタンパク質や脂肪の形で高濃度に蓄積することから、次世代タンパク源として世界的に注目されている。

 

(※2)農林水産技術会議の2018年農業技術10大ニュース:農林水産技術会議の2018年農業技術10大ニュース:農林水産技術会議は、法律により設置された「特別機関」で、農林水産省に事務局がある。技術会議は産官学の各研究機関の農林水産分野における研究の先導的な機能を持ち、様々な支援も行っている。その一環として、この1年間に新聞記事となった民間、大学、公立試験研究機関及び国立研究開発法人の農林水産研究成果のうち、内容に優れるとともに社会的関心が高いと考えられる成果10課題を、農業技術クラブ(農業関係専門紙・誌など28社加盟)の加盟会員による投票を得て「10大ニュース」として選定している。

 

 

 国連では、2030年までの国際目標として、「持続可能な開発目標(SDGs)」が2015年9月に策定されました。本取組は、SDGsの掲げる17のゴールのうち以下の7つのゴールの達成に寄与するものです。

 

SDGsのアイコン

 

参考資料

関連リンク

 

■お問い合わせはこちら

企画部

※報道提供時

担当:平松、池永

[TEL]072-979-7069

[FAX]072-956-9691

 

※令和2年度

担当:藤谷、山本、藤原、瀬山

[TEL]072-979-7059