公開日 2012年06月21日
「大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センター」では、天然記念物イタセンパラの野生復帰を目指して、大阪市旭区の淀川城北ワンドで、外来生物の駆除を継続して行ってきました。
その結果、在来魚の増加傾向がみられ、イタセンパラが属するタナゴ類等の大幅な増加が認められています。
今後、市民ネットワークなどを通じて、さらに成果をあげていきたいと考えています。
1 実施期間と駆除方法
実施時期は平成21年12月から24年3月で、休日を除くほぼ毎日、カゴモンドリ(写真1)や藻場トラップなどを利用して、外来魚の駆除を実施しました。(写真2)
2 在来魚の増加状況
重点的に駆除を行ったワンドでは、在来魚の割合が駆除前の9.3%から78.3%にまで大幅に増加しました。イタセンパラが属するタナゴ類(写真3)の年間採集尾数は平成22年度の71尾から23年度は5.2倍の367尾と大きな増加が認められました。
3 外来生物の減少状況と総駆除数
一方、外来魚のオオクチバスは駆除前の50.7%から駆除後3.8%に、ブルーギルは同じく39.4%から15.7%に減少しました。また、外来魚の総駆除尾数はオオクチバス16,579尾、ブルーギル135,814尾など合計152,771尾、また、外来水生植物ではナガエツルノゲイトウ227,267kgなど合計233トンでした。
4 今後の方向
淀川のイタセンパラは平成18年から確認が途絶えています。今後は、水生生物センターで飼育したイタセンパラの淀川ワンドへの放流、自然繁殖など野生復帰に向けた「淀川水系イタセンパラ保全市民ネットワーク」(平成23年8月に発足)の活動を通じて、さらに成果をあげていきます。
写真1 カゴモンドリによる駆除
写真2 外来水生植物の駆除
写真3 増加しつつある在来魚(タナゴ類の稚魚)
添付資料
- プレスリリース PDF版 146KB
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