大阪府立環境農林水産総合研究所

[環境][報道]「大阪のサクラを守れ!」中学生と大阪城公園のクビアカツヤカミキリを調査します!

公開日 2022年04月25日

環農水研生物多様性センターでは、大阪府内のサクラを特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」(※1)の脅威から守る取組みを進めています。

 

このたび、大阪府の代表的なサクラの名所でクビアカツヤカミキリがまだ確認されていない大阪城公園において、初芝立命館中学校・高等学校(※2)と連携してクビアカツヤカミキリの一斉調査を実施します。当センターでは、市民科学(※3)の一環として、市民も参加できる取組みを広げていくため、このような調査を初めて企画しました。

 

サクラやモモなどの樹木を枯死させる特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」

 

今回の取組みは、タブレット端末を活用して調査経験のない人でも簡易に実施できる方法で調査を行います。大阪城公園のサクラ被害の有無を把握するとともに、中学生の外来生物問題の認識の向上など、生物多様性教育にも役立てます。

今回調査する大阪城公園

 

実施にあたっては、大阪城公園の管理事業を行っている大阪城パークマネジメント株式会社、「おおさか生物多様性リンク」(※4)で連携している大和ハウス工業株式会社及び大和リース株式会社にご協力いただき、もし被害が確認された場合にも迅速に対応できる体制を整えています。

今後は、今回の取組みを契機として大阪における市民科学をより一層強化し、大阪のサクラ、そして大阪の生物多様性の保全を推進していきます。

 

※1 クビアカツヤカミキリは2011年に日本への侵入が確認され、2018年1月に特定外来生物に指定。サクラやモモの木に産卵し、ふ化した幼虫は木の内部を食い荒らすことで、木が衰弱し、やがて枯れてしまう。被害の拡大が続けば、お花見ができなくなったり、モモが食べられなくなったりしてしまう可能性がある。大阪府内では2015年の初確認以降、南部から分布域が急速に拡大しており、大阪城公園への侵入が危惧される。

※2 初芝立命館中学校・高等学校はクビアカツヤカミキリが多数確認されている大阪府堺市に立地している。今回の校外学習にあたっては、事前授業として、学校近傍におけるサクラの被害状況などを把握し、当日の活動に役立てる。[お問合せ先]初芝立命館中学校 主幹 川本秀樹 電話番号 072-235-6400

※3 市民科学とは、専門家と市民とが共同で調査や研究を行うことを指す。クビアカツヤカミキリから大阪のサクラを守るには、被害の早期発見・早期対策が不可欠だが、街の至るところにあるたくさんのサクラを専門家のみで調査することは困難である。そこで、市民の参画が重要な鍵となる。

※4 「おおさか生物多様性リンク」とは生物多様性センターと学校、企業、行政機関等の団体がつながり(リンク)を構築し、相互に協力し合うことで、生物多様性の保全や利活用を一層推進することを目指す取組み。連携団体(2022年4月25日時点):大和ハウス工業株式会社環境部、大和リース株式会社大阪本店など 計9団体。詳細はおおさか生物多様性リンクとは?を参照。

概要

「大阪城公園における特定外来生物クビアカツヤカミキリ一斉調査」

開催日時

令和4年4月28日(木曜日)午前の部 10時から12時/午後の部 13時から15時

※小雨決行、雨天時は大阪城パークセンターにて研修講義のみを実施

調査実施者

 初芝立命館中学校・高等学校 中学二年生125名

開催場所

大阪城公園(大阪府大阪市中央区大阪城)

[お問合せ先]大阪城パークセンター 電話番号 06-6755-4146

調査内容

大阪城公園のサクラ及びモモについて、クビアカツヤカミキリのフラス(幼虫が排出する木くずと糞の混合物)の有無を一斉調査し、侵入状況・被害状況を確認。

 

添付資料

 

■お問い合わせはこちら

生物多様性センター (環境研究部 自然環境グループ)

担当:丸山・幸田・近藤

[TEL]072-833-2770

[FAX]072-831-0229