大阪府立環境農林水産総合研究所

[環境][お知らせ]毎日放送×おおさか環農水研生物多様性センター「おさかな列伝 淀川の魚からひもとく過去・現在・未来」を開催しました!

公開日 2024年05月01日

 おおさか環農水研生物多様性センターでは、株式会社毎日放送との共催で、2024年3月28日(木曜日)に毎日放送×おおさか環農水研生物多様性センター「おさかな列伝 淀川の魚からひもとく過去・現在・未来」を開催しました。

 現地とZoomウェビナーを使用したオンラインとのハイブリッド開催とし、全国から200名を超える方にご参加いただきました。

 ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

 ※本シンポジウムの様子はyoutube「おさかな列伝 淀川の魚からひもとく過去・現在・未来」でご覧いただけます。

 

趣旨説明・開会挨拶(MBSお魚博士 尾嵜氏、MBSアナウンサー 藤林氏、環農水研 西井・山本)

  • 当センターでは、株式会社毎日放送とおおさか生物多様性リンクを結び、番組制作やイベント開催を通じて生物多様性の普及啓発を行っている。
  • 淀川には絶滅危惧種のイタセンパラをはじめとする「おさかな」が生息しているが、外来生物等により絶滅の危機に瀕している。
  • 本シンポジウムを通じて、参加者の皆さまに淀川の生物多様性に興味をもってもらい、今後どうしていくかをともに考えていきたい。

  

話題提供「1970年代から2020年代の調査からみた淡水魚の宝庫“淀川”の確認魚種とその変遷」(環農水研 平松)

淀川の魚類相の特徴、在来魚の減少と外来魚の増加を研究所の調査データに基づいて紹介した。

 

基調講演「淀川の過去から学び、未来に生かそう!」(近畿大学 細谷名誉教授)

魚にとって棲みやすい自然河川とは?

 ワンドは魚類の繁殖場、稚魚の生育場、鳥類などからの避難場所や隠れ場として非常に重要だが、一方で大都会を流れる淀川では人と自然が接する親水空間となっている。魚が住みやすい淀川のためには、本流とワンドを自由に行き来できる「魚類学的水循環」が重要。

巨椋池に見る淀川の魚類相の原風景

 巨椋池は6500~5000年前に成立した淀川の遊水地で、1933~1941年に国営干拓事業で圃場として整備される前には淀川の巨大なワンドとして機能し、淀川で見られる多くの魚がいた。江戸時代に来日し、日本の自然をヨーロッパに紹介したシーボルトは、いまでは干拓されてしまった巨椋池の魚を淀魚商人から購入し、オランダに持ち帰ったと思われる。

大阪の水辺をどのように活かすべきか?

 淀川の復活に役立つ「水辺の自然度診断問診票」を示して、「大阪府民は身近な水辺が地域の財産という認識を共有しているか?」などの14項目の質問を解説。 

  

質疑応答・パネルディスカッション(近畿大学 細谷名誉教授、MBSお魚博士 尾嵜氏、MBSアナウンサー 藤林氏、環農水研 平松・山本)

取組

  • 当センターの取組として、おおさか生物多様性リンク生物多様性センターサポートスタッフ、イタセンネットといった生物多様性に関する取組を紹介。
  • 株式会社毎日放送の取組として、深夜のバラエティー番組(Aぇ!!!!!!ゐこ)を通じて、普段生物多様性に興味がない人にも興味を持ってもらえるような発信を行っていることを紹介。

質疑応答

  • イタセンパラの産卵は二枚貝にとってのメリットはあるの?⇒メリットは無いが悪影響もそれほどないと言われている。しかし、あまりにもたくさんの卵が産み付けられてしまうと二枚貝が死んでしまう可能性がある。(環農水研 平松)
  • 淀川の魚(淡水魚)で一番美味しかったのは?⇒フナが美味しい。フナをミンチにしたふなご飯など、地域によって様々な食べ方がある。(近畿大学 細谷名誉教授)

パネルディスカッション

  • 細谷名誉教授ご提示の「水辺の自然度診断問診票」を基に、「淀川が外来種ばかりになったときにどんな問題があるか」などについて議論。

パネラーから参加者や株式会社毎日放送へのメッセージ

  • 社会全体で生物多様性に興味関心をもっていただくことで、保全等がしやすくなる。メディアには、普及啓発においてどのようなことが社会的に響くかのご提案をいただきたい。(環農水研 平松)
  • 一般的に、自然保護や環境保全に熱心な国ほど文化レベルが高い。メディアには一般市民への普及啓発を期待している。株式会社毎日放送では、番組(Aぇ!!!!!!ゐこ)で自然保護や環境保全の普及啓発に取り組んでいただいており、今後も期待したい(近畿大学 細谷名誉教授)

  

閉会挨拶(MBSメディアホールディングス総務局長 三澤氏)

  • 番組で1990年代にカヌーで道頓堀を下ると、魚などたくさんの生物がいて感動した。
  • 放送局として今後、生物多様性についていろいろ発信していき、放送だけではなくこういったイベントも開いていきたい。

 


 

 また、当日会場では登壇者いち推しのお魚や生物、生物多様性の面白さ、奥深さを感じられる本“推し本”をご紹介しました。

 各推し本はyoutube「おさかな列伝 淀川の魚からひもとく過去・現在・未来」にてご紹介しております。

 

 

 道頓堀川で採れたニホンウナギの展示も行いました。休憩中などは大人気で列ができていました。

   


 参加者のアンケートでは、回答された方全員に「大変満足した」「満足した」とご回答いただきました。

 また、「淀川の生態系、魚類にますます興味をもった」「藤林アナが私たち(参加者)側の質問やコメントをしてくれたので、分かりやすかった」といったご意見をいただきました。

 当センターでは今後も大阪府の生物多様性の調査研究を進めながら、おおさか生物多様性リンクを結んでいる株式会社毎日放送をはじめとして多様な主体と連携を深めながら情報発信に取組んでいきます。

 

関連リンク

おおさか生物多様性リンク

 

添付資料

プレスリリース_「おさかな列伝 淀川の魚からひもとく過去・現在・未来」を開催します!(2024年3月5日)[PDF:460KB]

チラシ_「おさかな列伝 淀川の魚からひもとく過去・現在・未来」(2024年3月5日)[PDF:3.76MB]

 

■お問い合わせはこちら

生物多様性センター (環境研究部 自然環境グループ)

担当:幸田・近藤・丸山

[TEL]072-833-2770

[FAX]072-831-0229