大阪府立環境農林水産総合研究所

[環境][報道]残留農薬⼀⻫分析に関する研究に取組む伴野研究員が「日本農薬学会奨励賞」を受賞!

公開日 2025年03月25日

令和7年度日本農薬学会において、環境研究部の伴野研究員が、LC-MS/MSを用いた残留農薬⼀⻫分析における試料由来マトリックス効果及びその補正法に関する研究に取組んだ業績により、日本農薬学会奨励賞を受賞しました!

受賞概要

【受賞者】

環境研究部 環境調査グループ研究員 伴野 有彩(ばんの ありさ)

【業績名】    

LC-MS/MSを用いた残留農農薬一斉分析における試料由来マトリックス効果及びその補正法に関する研究

作物の抽出溶液
作物の抽出溶液
精製手法の一例(液液分配)
精製手法の一例(液液分配)

【業績概要】

作物の栽培時に使用された農薬などの残留量を分析するときに、対象物質以外の成分(夾雑物)の影響により分析値が高く、または低く検出される現象(マトリックス効果)について、作物ごとの違いを解析し、その補正法に関する研究に取組みました。

どのような研究内容が評価されたの?

  • マトリックス効果を生じやすい一部の作物と農薬の組合せを明らかにすることができました。
  • 上記のマトリックス効果の補正法として、農薬と同様の挙動を示す安定同位体標識化合物を用いた手法などを検証し、その有効性および適用可能範囲を提示しました。
  • 高価な安定同位体標識化合物の使用量を削減した分析法を開発し、提案しました。
    ※安定同位体標識化合物:化合物中の水素や炭素などの元素の一部またはすべてをその元素の安定同位体(重水素など)で置き換えた化合物のこと

研究成果はどのように活用できる?

  • 作物に残留する農薬を正確に測定するための分析法として活用できます。

今後の展望は?

  • 今後は、農薬などの構造情報および作物の組み合わせからマトリックス効果を予測するモデルの確立などをめざしています。

研究内容の詳細は環農水研までお問合せください。

伴野研受賞記念写真

所内受賞報告会にて(左:伴野研究員、右:石井実理事長)

 

「日本農薬学会奨励賞」とは

日本農薬学会は、1975年(昭和50年)に創立された団体です。作物保護や農薬をめぐる諸問題を考える学問・技術の発展、即ち農薬科学の発展を通して人類の福祉に貢献し、さらに人口爆発、地球環境などの人類の諸問題の解決に寄与することを目的にしています。

日本農薬学会には業績賞(研究、技術)、奨励賞、論文賞、功労賞、日本農学賞があります。奨励賞は、農薬の科学・技術の面で優れた研究をなし、なお将釆の発展を期待し得る満40 歳以下(受賞年4月1日現在)の者に授与されます。今年度の授賞は2件です。

日本農薬学会ホームページより抜粋

添付資料

 

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