[農林][報道]当研究所の共同研究成果が２０１４年農林水産研究成果１０大トピックスに選出されました

公開日 2014年12月11日

　当研究所が日立造船株式会社（大阪市住之江区、以下日立造船）を代表機関とするコンソーシアムで宮崎大学、熊本大学とともに研究した「豚ふん堆肥からのリン回収実証」が２０１４年農林水産研究成果１０大トピックスに選定されました。

　１０大トピックスは、この１年間に新聞などで取り上げられた民間、大学、公立試験研究機関及び独立行政法人研究機関の農林水産研究成果の中から、内容が優れ社会的関心が高いものを農林水産技術会議事務局が農業技術クラブ（農業関係専門紙・誌など２９社が加盟）の協力を得て選出するものです。

　今回の研究成果では、リンを多く含む豚ぷん堆肥を炭化し、リン濃度の高い炭化物を効率よく回収する技術を確立しました。得られた炭化物はリン鉱石の半分以上のリン濃度を有しており、リン鉱石の代替や有機肥料としての効果を確認しました。

　この研究成果は、農林水産省「平成２５年度農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業」の研究課題「豚ふん中の有用資源を循環利用する事業モデルの構築」により得られたもので、当研究所は、炭化物の化学肥料や有機肥料としての有効性の確認と利用指針の作成を担当しました。

　農業用肥料の原料として欠かせないリン鉱石は、世界的に資源の枯渇が危惧されています。しかし、リン鉱石は日本では採掘できず、その全量を輸入に頼っており、近年では、リン鉱石の価格が高騰して、日本の農業を圧迫しています。

　本技術の開発により、養豚業者にとっては堆肥の有効活用や環境負荷低減などのメリットがあり、地域にとっては新たな産業と雇用を創出でき、更にはリン資源の安定確保が期待できます。

　なお、本件につきましては、研究代表機関の日立造船からも報道資料提供を行っていますので、参考として添付します。

炭化装置写真

　　　　　　　　　　豚ふん炭化実証試験機

添付資料