大阪府立環境農林水産総合研究所

[農林][報道]大阪発!アントシアニンが豊富で、果肉まで着色する醸造用ぶどう「大阪R N-1」が品種登録されました

公開日 2022年04月18日

 

環農水研では、大阪のぶどうを核とした産業振興のため、西日本の公設試験場では唯一のぶどうとワイン専門研究拠点である「ぶどう・ワインラボ」を2018年3月に稼働させ、大阪オリジナルのぶどう新品種の育成やぶどうに係る新商品・新技術の開発に取り組んでいます。


その取組みのひとつが醸造用ぶどうの新品種「大阪R N-1(おおさか あーる えぬ-わん)」です。

ORN1果実の写真
「大阪R N-1」は、着色が良好で、果皮の色が濃く果肉まで暗赤色に着色し、果実のアントシアニン(※)含量が極めて高いことが特徴です。府内のワイナリーで40年ほど前に育成されましたが、品種登録に至っていませんでした。「ぶどう・ワインラボ」で形態学的調査・遺伝子解析を実施し、この品種が既存品種とは異なる新たなぶどう品種であることを確認しました。今回、ワイナリーのご厚意で、大阪のぶどう・ワイン産業発展のために活用できるように、環農水研から品種登録を行い、令和4年3月28日付で品種登録されました(登録番号29163)。


高品質な赤ワインでは、しっかりとした赤い色がついていることが重要となりますが、地球温暖化によって、ぶどうの着色不良が生じてワインの色が薄くなることが心配されています。
「大阪R N-1」はメルローやピノ・ノワールといった一般的な赤ワイン醸造用ぶどうよりもしっかりと赤い色がつき、温暖な気候にも強いため、非常に有望な新品種と言えます。

ワインの写真
今後、環農水研では大阪ワイナリー協会を含む「大阪ぶどうネットワーク」とともに、このぶどう品種の普及を図っていきます。

 

(※)アントシアニン

植物界に広く存在する天然色素で、果実や花に多く見られます。

酸化を防ぐ働きがあるので、機能性成分としての効果が注目されています。

 

添付資料

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