公開日 2024年03月27日
令和6年度園芸学会において、食と農の研究部の上森研究員が、大阪府特産品ブドウ「デラウェア」栽培への温暖化の影響評価と対策技術の開発に取組んだ業績により、園芸学会奨励賞を受賞しました!
受賞概要
【受賞者】
食と農の研究部 葡萄グループ研究員 上森 真広(かみもり まさひろ)
【業績名】
ブドウの発育への温暖化の影響評価と発育予測モデルの開発に関する研究
【業績概要】
環農水研が長年(50年間以上)に渡って蓄積してきたデラウェアの発育データ(発芽、満開など)を活用して、デラウェアの発育に対するこれまでの温暖化の影響を把握し、気温と発育との関係解析による発育予測モデルを開発した。また、将来の温暖化の影響評価に基づいた温暖化適応策を提示した。
- デラウェアの果実
- 発芽したデラウェア
- 満開のデラウェア
どのような研究内容が評価されたの?
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気温上昇と呼応するように、デラウェアの発芽日、満開日が早期化していることを明らかにしました。
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日々の気温を基に、デラウェアの発育を高精度で予測するモデルを開発しました。
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将来の温暖化がデラウェアの発育に及ぼす影響を予測し、その結果に基づいた温暖化適応策を提示しました。
研究成果はどのように活用できる?
- 発育予測情報は環農水研ホームページで公開しており、ブドウ生産者の計画的な栽培管理(病害虫防除やジベレリン処理)に役立てられています。
- 大阪府果樹振興計画に本研究の知見が反映されており、府内ブドウ産地の自治体が「地域気候変動適応計画」を検討・策定する際に活用できます。
今後の展望は?
ブドウの発育の仕組みを明らかにし、発育予測モデルの高精度化に向けて取組んでいきます。
研究内容の詳細は環農水研までお問合せください。
左:受賞した上森研究員 右:石井理事長
「園芸学会奨励賞」とは
園芸学会は、1923年(大正12年)に創立された団体です。大学はじめ各種公的研究機関や民間企業の研究者が集い、園芸(果樹・野菜・花き・利用)に関する研究および技術の進歩を図ることを目的としています。
園芸学会には学会賞、奨励賞、年間優秀論文賞があります。奨励賞は、園芸に関する研究の発展に寄与する優れた業績をあげ、さらに将来の発展を期待できる会員にこれを贈ります。各年度の授賞は4件以内と定められています。
(園芸学会ホームページより抜粋)
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