公開日 2025年03月27日
環農水研では、令和6年度から令和9年度までの第4期中期計画における重点テーマの一つに「ネイチャーポジティブ社会(※1)の実現に向けた取組」を掲げ、生物多様性保全に取組んでいます。
その取組の一環として、生物多様性センター、本部・環境と食農の技術センターにおける生物多様性保全の維持管理、モニタリングを実施し、環境省の自然共生サイト(※2)に認定されました。
生物多様性センター(寝屋川市)
生物多様性センターでは、敷地内で希少種の生息域外保全や生きものが集まる植栽やビオトープづくりを行っています。これらを適切に維持管理することにより、敷地内では健全な生態系が保たれ、たくさんの動植物が生息・生育しています。また、子どもたちとの生きもの観察イベントや、生物多様性センターサポートスタッフ(※3)の方々との生物調査を定期的に実施するなど、敷地内の生物モニタリング体制を構築しています。
これらの取組を踏まえ、当センター内の1.8haの敷地を環境省の自然共生サイトに申請し、2024年10月21日に認定されました。
この認定は、当センター内の環境が里地里山の特徴をもった自然環境で、希少な動植物などの在来種が生息・生育している場として認められたことによるものです。
- 生きもの観察イベントの様子
- ネズミをくわえるキツネ
本部・環境と食農の技術センター(羽曳野市)
本部・環境と食農の技術センターには、農業試験等を実施している水田や畑地などの農地エリア、府民が自然を感じる憩いの場として利用できる緑地エリアがあります。これらを生物多様性に配慮して適切に維持管理することにより、敷地内では良好な生態系が保たれ、これまでに、希少種のニホンアカガエルやアナグマなども含む600種以上の動植物種が確認されています。
本取組を踏まえ、当センター内の8.4haの敷地を環境省の自然共生サイトに申請し、2025年3月14日に認定されました。
この認定は、生物多様性に配慮した管理によって、当センター内の環境が里地里山の特徴をもった自然環境であり、希少な動植物などの在来種が生息・生育している場として認められたことによるものです。
- ニホンアカガエル
- (大阪府レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類)
- アナグマ
- (大阪府レッドリスト準絶滅危惧)
今後の展開
両センターでは今後も、生物多様性に配慮した管理・モニタリングの充実を図っていきます。
また、自然共生サイトに申請・認定されたノウハウを生かし、大阪府内に自然共生サイト(生物多様性の保全に資する地域)を増やしていけるよう、府内事業者等をサポートしていきます。
※1 ネイチャーポジティブ
生物多様性の損失を止めるだけではなく回復させること 。生物多様性・ 自然資本領域の世界共通の目標となっている 。
※2 自然共生サイト
「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定する制度。
※3 生物多様性センターサポートスタッフ
当センターが行う様々な行事やイベントなどにご協力いただける方を対象とする市民ボランティアの登録制度。