公開日 2025年07月26日
環農水研生物多様性センターとジェックス株式会社(本社 東大阪市)は、生物多様性保全に取組むうえで連携を図るため「おおさか生物多様性リンク(※1)」を締結し、2025年7月8日にその署名式を行いました。
- 署名式の様子
- 左:ジェックス株式会社五味社長
- 右:生物多様性センター相子センター長
- 活動宣言書
署名式において、ジェックス株式会社代表取締役の五味社長は、「この連携を通じて、総合ペット用品メーカーとしてペットの終生飼育(※4)の推進や、生き物の命や自然環境に関心を持っていただくことで、より良い社会づくりに貢献していく」と、また、生物多様性センターの相子センター長は、「生物多様性の保全に対し、一つの企業、一つの団体ができることは限られているが、連携により協力と努力を重ねることで御社が理念とする「人も地球も豊かに」という未来につながっていくのではないか」と決意を述べました。
この連携によるイタセンパラの生息域外保全(※2、3)の一環として、ジェックス株式会社の本社エントランスにおいてイタセンパラの飼育を開始しました。
(文化庁および環境省の許可を得て実施しています)
今後、両者で協力し、さらに株式会社毎日放送(MBS)や、府内の小学校でイタセンパラを飼育することで絶滅危惧種を身近に感じる機会を創出し、それをきっかけとして生物多様性の重要性やペットの終生飼育を出前授業等で伝えていくことを計画しています。
- 飼育水槽の様子
- 水槽のイタセンパラ
※1 おおさか生物多様性リンク
おおさか環農水研生物多様性センターと学校、企業、行政機関等の団体がつながり(リンク)を構築し、相互に協力し合うことで、生物多様性の保全や利活用を一層推進することをめざす取組です。やわらかで、しなやかなつながりの中で、長期的に相互の機能強化をはかり、生物多様性に取組むトップランナー大阪を、一緒にめざすことを目的にしています。
※2 イタセンパラ
国の天然記念物および国内希少野生動植物種に指定されており、そのかわいらしい姿や特徴的な生態から「淀川のシンボルフィッシュ」と呼ばれています。生物多様性センターでは1970年代から生息域外保全に取組んできました。生物多様性センターでは、イタセンパラを水槽展示していますので、興味がある方はどうぞお越しください(生物多様性センターへのアクセス)
※3 生息域外保全
絶滅危惧種などを、元々の生息地以外の安全な施設などで守る方法のことです。絶滅危惧種の保全には、本来の生息地(生息域内)だけでなく生息域外での保全にも同時に取り組むことが重要です。また、複数の場所で生息域外保全を行うことで、より一層、絶滅リスクの軽減が期待できます。
※4 終生飼育
ペットを野外などへ放逐、放流せず、寿命を迎えるまで適切に飼育することを言います。飼育されていた品種改良メダカや、国内の他の地域のタナゴの仲間など、個人による安易な野外への放流が、生物多様性を脅かす一因となり得ることが知られています。