大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

水草図鑑(外来種)

植物

ホテイアオイ

ホテイアオイ

本種はミズアオイ科に属する浮遊性の一~多年草。南米原産で、別名ウォーターヒヤシンス。 明治中期に観賞用、家畜飼料として導入された。1972年に野生化を確認。府内でも淀川水系、猪名川 水系や池沼などに定着している。葉柄が膨らんで浮袋のようになり、その形状から七福神の布袋尊のお腹を連想 して名前がついた。
開花期は6~11月。両性花で一日花である。花に3型(長花柱花、中花柱花、短花柱花)があるが、日本で見 られる株のほとんどは中花柱花。種子形成は、日本では訪花昆虫の不在からほとんど行われない。栄養繁殖は盛ん で、走出枝を1個体当たり数1,000個も出すことが知られる。水中の窒素やリン酸濃度が高く、日当たりが良い温 暖な場所では爆発的に繁殖する。 もともと熱帯産であるため、株の越冬には水温10℃以上または0℃以下の積算温度が-500℃・時間程度が必要とされ ていたが、最近ではかなり広い範囲で越冬している。生態系被害防止外来種リストにより、「重点対策外来種」に指定されている。