大阪湾の生き物図鑑
大阪湾珍魚発見
泳ぐ巨大ウミウシ
(写真)ヤマトメリベ
6月17日に岬町の漁業者から正体不明の生物が持ち込まれました。文献等で調べたところ、メリベウミウシ科に属するヤマトメリベという珍しいウミウシであることがわかりました。この生物は九州~三浦半島での捕獲が報告されていますが、大阪湾で確認されるのは大変珍しいことだそうです。
(左)泳ぐヤマトメリベ (右)頭巾がひろがった状態
体長は40cm以上とウミウシとしては最大級です。体は半透明の寒天状で、体の1/3を「頭巾」と呼ばれる巨大な捕食器が占めており、とても変わった形をしています。背中には8対の突起が付いており、突起の表面には紅色の斑紋があってとても美しい生物です。体を左右に振り、頭巾を広げたり狭めたりして泳ぐ様子は、とてもユーモラスです。また、体には特有の柑橘臭があり、このウミウシを触った指のにおいをかぐとグレープフルーツのようなにおいがしました。また、水槽で2~3日飼育していたら何やらピンク色の物体が水槽の底に・・・。よく観察してみるとヤマトメリベの卵でした。
(上)ヤマトメリベの卵
今回の生物のデータ
◆名前 ヤマトメリベ
◆捕獲日 平成24年6月17日
◆大きさ 全体の長さ約40センチ
◆採集場所 岬町地先