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カワバタモロコ

カワバタモロコ Hemigrammocypris rasborella はコイ科ダニオ亜科に属する日本固有種。名前に“モロコ”とつくが、 スゴモロコが属するカマツカ亜科やタモロコの属するバルブス亜科には属さず 、カワムツ、オイカワや ハスと類縁関係が近い。本州中部地方以西、四国北部、九州北西部の平野部の池、沼、小川など に生息する。府内では淀川水系、大和川水系、泉州に分布。以前は平野部を流れる河川や水路にも分布していたが、現在では 山際の小さい溜池やこれにつながる水路などに残存するのみである。河川・溜池改修に伴う環境の悪化、外来魚による食害、 水草帯の消失などにより減少した。
体長3~6cmになり、雑食性で付着珪藻や小動物などを食べる。雄は繁殖期に鮮やかな黄金色を帯びる。 産卵期は6~7月。一尾の雌を数尾の雄が追尾し、水面近くの水草や陸上植物の垂れている根などに粘着卵を産みつける。 環境省レッドリスト2020「絶滅危惧IB類」、大阪府レッドリスト2014「絶滅危惧Ⅰ類」。近縁種の ヒナモロコに似るが、ヒナモロコは日本では九州北部にのみ分布する。また、本種はヒナモロコに比べて体高が高い ことや腹ビレよりも後方の腹縁(※1)がキール(船底の竜骨)状の形となっている ことで区別できる。

(※1)腹縁
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