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アカザ

アカザ Liobagrus reinii はアカザ科に属する日本固有種で、秋田県および宮城県以南の本州・四国・九州に分布するが、関東以北の太平洋側には少ない。水のきれいな中・上流域の石の下などに潜み、全長15㎝前後にまで成長する。体は細長く赤っぽい。頭部は扁平で、上顎と下顎に2対ずつ計4対の口ひげ(※1)がある。背ビレの後方に脂(あぶら)ビレ(※2)と呼ばれるヒレすじのないヒレをもつ。脂ビレは同じナマズ目のギギのほかに、アマゴ、ヤマメなどのサケ目魚類、アユやシラウオなどのキュウリウオ目の魚にもあるが、これは直接的な類縁関係を示す形質ではなく、魚類の古い祖先が持っていた特長をそれぞれ残していると考えられている。夜行性で昼間は石の隙間や岸際のくぼみなどに隠れている。夜間になると泳ぎだして、水生昆虫などを食べる。環境省レッドリスト2020、大阪府レッドリスト2014ともに「絶滅危惧Ⅱ類」で、道路工事、山林伐採、河川改修などによる土砂流出により隠れ場所である石の隙間が埋まるなど生息条件が悪化し、生息数が減少している。大阪府でも河川上流には普通に生息していたようであるが、現在ほとんどの河川で姿を消している。 産卵期は5~6月で、産卵は石の下で行われる。寒天質におおわれた100~120個の卵塊を瀬の礫下に産着させ、それをオスが護る。

(※1)4対の口ひげ

(※2)脂(あぶら)ビレ
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