大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

淡水魚図鑑(在来種)

その他(府内には生息しない魚種)

ビワヨシノボリ

ビワヨシノボリ

本種は琵琶湖固有種で、琵琶湖内で回遊生活をしており、河川には遡上しない。産卵期には湖岸や一部の流入河川の河口に現れるが、それ以外の季節には琵琶湖の沖合いで生活する。
 同所的に生息するトウヨシノボリ(橙色型)(※1)に似るが、トウヨシノボリとは遺伝的に異なり,生殖的に隔離されている。また、本種はオスの第1背ビレが伸びず(※2)、尾柄部に橙色斑をもたないこと(※3)や腹鰭の吸盤が縦に長く鰭膜が薄いこと、第1背ビレの前方に鱗が無いことなどの形態上の特徴がある(ただし、トウヨシノボリでも縞鰭型はオスの第1背鰭は伸びず、尾柄部に橙色斑をもたないが、縞鰭型は琵琶湖には分布しない)。
 産卵期は夏ごろで、岸近くに現れてオスがなわばりをつくる。産卵期のオスは暗色で、尻ビレやエラぶたの下方が黄色に色づき、アゴの下が青くなる。本種は環境省レッドリスト2020では「情報不足」とされている。

トウヨシノボリ(橙色型)

(※1)トウヨシノボリ(橙色型)

オスの第1背ビレが伸びず

(※2)オスの第1背ビレが伸びず

尾柄部に橙色斑をもたないこと

(※3)尾柄部に橙色斑をもたないこと