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アブラヒガイ

本種はコイ科ヒガイ亜科に属し、カワヒガイやビワヒガイに近縁。琵琶湖固有種で、湖北部の岩礁地帯に多い。吻は長くてとがっており、他のヒガイよりも吸引摂餌に適している。体色は濃い黄褐色で、”アブラ”と呼ばれる由来となっている。体側に他のヒガイのような雲状斑はないが、胸ビレ基底の上方に顕著な半月型の暗色斑(※1)がある。また、背ビレにはカワヒガイやビワヒガイ同様の黒色斑(※2)をもつが、成長とともに不明瞭になり、成魚では第1-3軟条に一部が残る程度となり、他のヒガイとの区別点となる(ただし、産卵期のカワヒガイのオスではヒレ全体が黒ずみ、黒色斑はめだたなくなる)。
砂礫底や礫底を好み、水底近くでトビケラ幼虫やユスリカ幼虫、小型巻貝、藻類などを食べる。産卵期は4-6月、他のヒガイ同様に淡水二枚貝の外套腔内に産卵する。本種は環境省レッドリスト2020で「絶滅危惧ⅠA類」に指定されている。

(※1)半月型の暗色斑

(※2)黒色斑
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