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イトヨ(ニホンイトヨ、太平洋系降海型イトヨ、太平洋系陸封型イトヨ)

本種はトゲウオ科に属し、トミヨやハリヨなど他のトゲウオの仲間と同様に背ビレの前方に独立したトゲをもつ。ニホンイトヨはかつてイトヨ日本海型と呼ばれていた。日本国内では千島列島から千葉県銚子付近までの太平洋沿岸部と日本海側に分布する。太平洋系降海型イトヨは、日本国内では北海道に分布する。ニホンイトヨと太平洋系降海型イトヨは、淡水域で生まれ、海域で成長する生活史をもつ。太平洋系陸封型イトヨは、北海道大沼、青森県、福島県会津田島、栃木県那須、福井県大野から知られており、一生を湧水地帯の淡水域で過ごす。
オスは流れの緩い砂泥底になわばりをつくり、そこに巣をつくる。巣は川底につくったすりばち状の窪みに水草の破片などをしいて粘液で固めた後、その下にトンネルを掘ってつくる。オスは成熟したメスを見かけると、”ジグザグダンス”と呼ばれる求愛行動を行い、巣の中に誘う。巣に産みつけられた卵はオスによって保護されてふ化する。オスはその後も仔魚を守る。寿命はほとんどものが1年、まれに2年生きるものもいる。環境省レッドリスト2020では、福島県以南の太平洋系陸封型イトヨと本州のニホンイトヨが「絶滅のおそれのある地域個体群 (LP) 」に記載されている。
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