淡水魚図鑑(在来種)
タ行
チュウガタスジシマドジョウ
チュウガタスジシマドジョウ Cobitis striata striata はドジョウ科に属し、本州、四国、九州の瀬戸内海流入河川および本州の一部の日本海流入河川に生息する。
体側の斑紋が、直線状になることが「”スジシマ”ドジョウ」という名前の由来であるが、個体差があり、かなり途切れる個体(※1)もいる。一方、本種とよく似たシマドジョウは点列状の斑紋になることが多いが、やはり個体差が大きく直線状になる個体(※2)もいるため、体側斑紋で区別することは難しい。シマドジョウとはオスの胸ビレの骨質板などによって判別が可能である(→検索図鑑(シマドジョウとスジシマドジョウ)へ)。また、本種の雌雄は、この骨質板の有無(※3)で判別できる。
河川中・下流域の流れの緩やかな砂泥底を好み、淀川ではワンドや本流域の砂泥底に生息していた。繁殖に河川敷などの一時的水域を利用することが多いため、近年の水域環境の変化により生息地が減少している。体長は7~9cm。主にユスリカ幼虫などの底生動物やミジンコなどの動物性プランクトンを食べる。産卵期は5~7月。増水時の河川敷浅水域や田植え直後の水田付近の溝などに直径2mm程度の卵(※4)を産む。ふ化直後の仔魚(※4)は、糸状のエラがエラ穴から外に現れている。成熟はオスで1~2年、メスでは2年以上かかる。
環境省レッドリスト2020では「絶滅危惧Ⅱ類」、大阪府レッドリスト2014では「絶滅危惧Ⅰ類」に指定される。
環境省レッドリスト2020では「絶滅危惧Ⅱ類」、大阪府レッドリスト2014では「絶滅危惧Ⅰ類」に指定される。
(※1)途切れる個体
(※2)直線状になる個体
(※3)骨質板の有無
(※4)卵と仔魚