淡水魚図鑑(在来種)
ハ行
ボラ
本種はボラ科ボラ属に属し、沿岸の浅い所に生息する。幼魚は河川に入り、1~4月頃群れを なして海から河川に侵入する。その年の秋には20cmくらいに成長し、河口付近に降り、翌春また遡上する。 成長に応じて呼び名が変り、小さい方からオボコ、イナッコ、スバシリ、イナ、ボラ(30cm以上)、 トド(50cm以上)のように呼ばれる。産卵期は10~1月頃で、外洋に出て産卵する。成熟した雌の卵巣は カラスミとして珍重される。メナダに似るが、体は太くて眼を覆う透明の脂瞼 (しけん)が発達する。また、胸ビレの付け根に青色の斑紋が出る。餌は、海底の藻類や有機物、小動物など で泥とともに吸い込む。消化を助けるために、筋肉が発達した胃や長い腸を持つ。府内では淀川水系、大和川 水系、泉州諸河川など広い範囲に生息する。