大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

淡水魚図鑑(外来種)

魚類

グッピー

グッピー

本種はカダヤシ科に属し、天然分布域は南米北部。ヒレや体側に様々な色彩の斑紋をもつため,観賞用として国内に持ち込まれたが、1955年ごろから温泉地で野生化しているのが見られるようになった。また、年中水温の高い琉球列島では農業水路、河川などに広く定着している。府内での定着は確認されていないが、写真の個体は寝屋川市内で野外採取されたもの。かなりの個体数がみられ、水温の高い期間には繁殖していた可能性がある。本種は水質汚染に強く、雑食性で小動物や藻類などなんでも食べるため、下水溝のような他の魚類が住めない劣悪な環境でも繁殖できる。カダヤシと同様に卵胎生で、交尾を行ってメスは仔魚を産むため、メダカのように水草などの産卵基質を必要としない。オスの尻ビレはカダヤシ同様に交尾のために長く伸びる(※1)が、カダヤシでは腹ビレよりいちじるしく長いのに対して、本種では腹ビレよりももすこし長い程度。野生化したメスは体色が地味で、カダヤシとの見分けが困難であるが、カダヤシでは背ビレ基底の起点が尻ビレ基底起点よりもかなり後ろであるのに対して、本種は背ビレと尻ビレの基底起点がほぼ上下に並ぶ(※2)。生態系被害防止外来種リストにより、「その他の総合対策外来種」に指定されている。

オスの尻ビレはカダヤシ同様に交尾のために長く伸びる

(※1)オスの尻ビレはカダヤシ同様に交尾のために長く伸びる

背ビレと尻ビレの基底起点がほぼ上下に並ぶ

(※2)背ビレと尻ビレの基底起点がほぼ上下に並ぶ