大阪府立環境農林水産総合研究所

環境農林水産 質問BOX(過去に寄せられたよくある質問)

水産/その他のご質問

大阪湾の水温について教えて下さい

公開日 2018年06月07日

  • 水温の季節変化や海域による違い

大阪湾の水温は、気象の影響による海面を通した熱の出入りと、隣接する播磨灘や紀伊水道の海水、淀川をはじめとする河川水との熱の交換により決まっています。夏季には海面が日射などにより温められて水温が上がりますが、紀伊水道より海水容積の小さい大阪湾の方が水温は高くなります。すると熱の一部が湾口部の友ヶ島水道を通して大阪湾から紀伊水道へと出て行きます。その結果、湾内の水温分布は、湾口部で低く湾奥部で高くなり、年間最高水温は湾奥部でおよそ25~30℃になります。冬季はこの逆で、放射冷却や季節風などで海面が冷やされ、紀伊水道より水温が低くなった大阪湾に、紀伊水道から熱が入ってきます。湾内の水温分布は、湾口部で高く湾奥部で低くなり、年間最低水温は湾奥部でおよそ7~10℃になります。

 

  • 長期的な水温変動

近年、様々なスケールの気候変動に伴う気温・水温の変化が明らかになりつつありますが、大阪湾の水温にも上昇傾向が見られます。大阪湾の中でも湾奥部や湾口部でそれぞれ水温上昇の程度は異なりますが、1972~2016年の45年間で約0.5~1.4℃上昇しています。月別では晩秋から初冬(11~12月)の上昇が大きく、同期間で約1.5~2.2℃の上昇となっています。

 

  • 最近の水温について

水産技術センターでは泉南郡岬町における沿岸水温の速報をホームページに掲載しています。水温の値は水産技術センター前の海から汲み上げた水を毎日9時に測ったもので、毎日自動的にデータを更新し、1週間分の値と平年値との差も表示しています。また、携帯電話でもご覧頂けるページでは、さらに詳細な直近1日の毎正時について、水温に加えて塩分や気象の情報も掲載していますので、ぜひ一度ご覧下さい。


関連情報ページ:大阪湾水温速報

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