公開日 2013年11月05日
平成25年10月10日に当研究所と国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所は共同で、淀川城北ワンド群でイタセンパラの放流式を開催しました。
両者は淀川水系で野生絶滅に近い状態に陥っているイタセンパラ(国指定の天然記念物、国内希少野生動植物種)の野生復帰に取り組んでいます。
イタセンパラの放流を行った城北ワンド群は、淀川で最後に生息が確認されていた場所で、外来魚の生息密度が下がったことから、放流を試みました。
当研究所では、この放流式を契機に、イタセンパラの復活と淀川の環境に対する府民意識の向上につなげていきたいと考えています。
放流式では大阪府小河副知事をはじめ、環境省、大阪市、淀川水系イタセンパラ保全市民ネットワーク(イタセンネット)等が参加し、さらに次代を担う地域の児童・生徒(大阪市立城北小学校、大阪市立大宮小学校、常翔学園中学校など)を合わせた100名以上が出席しました。
また報道関係者も多く取材にお越しいただき大阪の自然環境保全への関心の高さを伺わせました。
式では代表の30名がイタセンパラを放流し、さらに式終了後に出席した児童・生徒を中心に放流を行いました。
今回の放流したイタセンパラは雌雄合わせて500個体の成魚で、当研究所水生生物センターで保存・増殖してきた個体です。
今後、関係機関の連携によるイタセンパラ密漁・捕獲防止のための啓発活動や巡回も行われます。
これまで場所を非公開にして放流を行ってきましたが、放流場所を公開し地域の関心が高めることで、地域の目によってイタセンパラを守り、さらに淀川の生物多様性の保全が促進されると期待しています。
左:放流式の小河副知事による挨拶 右:出席者によるイタセンパラの放流
左:地元小学生代表による放流 右:地元中学生代表とイタセンネット代表による放流
右:式終了後の小学生による放流と取材カメラ 右:放流したイタセンパラ
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