タイトル

Shared and unique features of bacterial communities in native forest and vineyard phyllosphere

(邦題) 原生林と隣接ブドウ園で共有される葉圏微生物群の特徴
 

著者名

三浦 季子、他4名

掲載誌

Ecology and Evolution, 2019, 9(6): 3295-3305

ハイライト

• 本研究では、チリ中部で硬葉樹林*1・有機栽培管理のブドウ園・通常管理のブドウ園の、葉圏微生物群の特徴を調査した。

• 16S rRNA遺伝子*2で微生物群集を解析したところ、森林の葉・ブドウの葉・ブドウ果実に共通の微生物群が存在することが分かった。また、通常管理のブドウの葉の微生物群は、有機栽培管理されたブドウの葉の微生物群よりも多様性が高く、森林の葉と共通する微生物群も多かった。また、森林の葉・ブドウ園地の葉それぞれに典型的な微生物属*3があることも分かった。

• これらの結果から、自然（在来植物）と隣接する耕作地（ブドウ）の葉圏微生物相は、接続・統合されたシステムであり、農業に与える生態系サービスを最大化するために耕作地の周辺環境とそれに関連する微生物の多様性を評価することの重要性が示唆された。

*1：主に地中海性気候に見られる森林で、常緑広葉樹林の一種。本研究対象の森林では樹種として、リトレ（ Lithraea custica ）やボルド（ Peumus boldus ）などがある

*2：微生物のリボソーム（タンパク質を合成する細胞内器官）サブユニットのRNA塩基配列。配列の類似性が微生物の分類などにも利用される

*3：生物分類の基本的階級の1つ。「科」の下、「種」の上の分類。例えば、大腸菌（ Escherichia coli ）は腸内細菌科に含まれるエスケリキア属の一種の微生物。

リンク先（外部リンク）

• https://doi.org/10.1002/ece3.4949

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