大阪府立環境農林水産総合研究所

 

Effects of abscisic acid/ethephon treatments on berry development and maturation in the yellow-green skinned ‘Shine Muscat’ grape

タイトル

Effects of abscisic acid/ethephon treatments on berry development and maturation in the yellow-green skinned ‘Shine Muscat’ grape


(邦題) 黄緑色系ブドウ‘シャインマスカット’の果粒発達および成熟におけるアブシシン酸/エテホン処理の影響

 

著者名

末廣 優加、他5名
 

掲載誌

The Horticulture Journal, 2019, 88(2): 189-201

 

ハイライト

  • 植物ホルモンのアブシシン酸とエチレンは、どちらも果実の成熟に関与する。本研究では、これらの植物ホルモン処理が黄緑色系ブドウ ‘シャインマスカット’ の成熟と果皮褐変*1に関与するメカニズムを調査した。

  • アブシシン酸あるいはエテホン*2処理をすることで果皮色はくすみ、ポリフェノール化合物の含量および褐変の発生が増加した。褐変した果実では、エチレンやオーキシンの生合成に関与する遺伝子(VvACO2・VvYUC1)の発現が増加していた。

  • 黄緑色系ブドウの果実成熟に対するエチレンの影響はアブシシン酸と同等かそれ以上であった。

  • しかしながら、アブシシン酸とエテホン処理によって発現する遺伝子は異なり、どちらの植物ホルモンも果実成熟を促進するものの、それぞれ異なるメカニズムで生理学的反応が調節されている可能性を明らかにした。

 

*1:「褐変」は植物体の一部分が褐色に変色すること。成熟中の果皮褐変は、黄緑色系ブドウ品種の主要な商業的課題である。

*2:「エテホン」は植物成長調整剤の一種であり、pH4以上で分解しエチレンを発生する。エチレンそのものは気体であるが、エテホンは液剤であるため容易な処理でエチレン作用が得られる。

 

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