大阪府立環境農林水産総合研究所

 

Effects of gibberellic acid/cytokinin treatments on berry development and maturation in the yellow-green skinned ‘Shine Muscat’ grape

タイトル

Effects of gibberellic acid/cytokinin treatments on berry development and maturation in the yellow-green skinned ‘Shine Muscat’ grape

 

(邦題) 黄緑色系ブドウ‘シャインマスカット’の果粒発達および成熟におけるジベレリン酸/サイトカイニン処理の影響

 

著者名

末廣 優加、他5名

 

掲載誌

The Horticulture Journal, 2019, 88(2): 202-213

 

ハイライト

  • 植物ホルモンのジベレリン酸とサイトカイニンは種なしブドウの生産に多く利用され、その効果はこれまで多くの研究が行われてきている。しかし、果実の水回り期*1以降に処理したこれらの植物ホルモンが成熟に及ぼす生理的メカニズムについては明らかとなっていない。

  • 本研究では、黄緑色系ブドウ ’シャインマスカット’ の水回り期におけるジベレリン酸またはサイトカイニン処理が果実成熟に与える影響を調査した。

  • いずれの植物ホルモン処理でも果実肥大は促進され、糖度上昇は抑制された。また、果皮のクロロフィル*2の分解は少なく、成熟後期における褐変*3の発生が抑えられた。

  • ジベレリン酸またはサイトカイニン処理は、それぞれの植物ホルモンのシグナル伝達に関する遺伝子( VvGID1・VvCHKs )の発現量を低下させた。

  • 水回り期のジベレリン酸またはサイトカイニン処理は、その後の果実成熟における植物ホルモンの生合成やシグナル伝達に広く影響を及ぼすことを明らかにした。

 

*1:果粒が急速に軟化する発育段階。

*2:緑色の色素。果皮のクロロフィルが分解されるにつれて、果皮色が緑色から黄緑色、黄色へと変化していく。

*3:成熟中の果皮褐変は、黄緑色系ブドウ品種の主要な商業的課題で、植物ホルモンや果実成熟との関係を明らかにする必要がある。

 

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