公開日 2018年09月20日
平成30年8月20日に高石市漁業協同組合から「変な魚が獲れた」との連絡を受け、現場に急行したところスズキ目アカメ科に属するアカメLates japonicusであることが分かりました。アカメは日本の固有種で、静岡県以南の太平洋沿岸から出現記録があります。しかし、それらは偶発的な出現であり、主な生息域は高知県と宮崎県に限られていると考えられています。その希少さから、環境省レッドリストには絶滅危惧ⅠB類(※)として掲載されています。今回のアカメは大阪市内を流れる安治川の河口周辺で刺網と呼ばれる漁法で漁獲されました。大阪湾では平成5年にも淀川河口でアカメが漁獲されており、標本に基づく正式な記録としては2例目になります。
なお、今回の個体は学術的にも大変貴重なため大阪市立自然史博物館に液浸標本として登録しました。
※環境省では絶滅のおそれのある生物を程度に応じてカテゴリー分けをしています。絶滅危惧IB類とは「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い」と判断されたものです。
記
標準和名:アカメ(スズキ目アカメ科)
学名:Lates japonicus
全長:82 cm
体重:9.3 kg
漁獲場所:安治川河口周辺 水深11 m
漁獲方法:スズキを漁獲対象にした刺網
漁獲者:高石市漁業協同組合所属の漁業者
標本登録番号:OMNH-P 46865(大阪市立自然史博物館)
水揚げ直後のアカメ
標本として処理をしたアカメ
(大阪市立自然史博物館提供)
添付資料
[報道]大阪湾で絶滅危惧種アカメが漁獲されました! [PDF:168KB]
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