大阪府立環境農林水産総合研究所

[水産][報道]大阪湾にトラフグ稚魚を放流します

公開日 2020年07月09日

 

 大阪府では水産資源を増やすため、稚魚を育て放流する「栽培漁業」を推進しています。今年度も下記の通り、栽培漁業センターで卵から育てたトラフグ稚魚2万尾を大阪湾に放流します。

 

 トラフグは大阪府内でも多く消費される高級魚ですが、昭和40年頃までは大阪府沿岸でも多く漁獲されていました。しかしながら、その後漁獲量は大きく減少して現在は年間で100kg程度の少ない漁獲となっています。瀬戸内海でも天然のトラフグは減少傾向にあり、貴重な魚となっています。そのため、国や瀬戸内海沿岸の関係府県が連携してトラフグを増やす試みが行われており、その一環として稚魚の放流が行われています。

 

 大阪府でも平成27年度からトラフグを放流技術開発魚種として位置づけ、当研究所と栽培漁業センターが共同で卵から稚魚を育成して放流しており、今年で6年目となります。

 

 瀬戸内海産のトラフグには瀬戸内海を西に移動して東シナ海で成長し、産卵のため再び生まれた場所に戻ってくるという生態があるといわれています。そのため、大阪府から放流するトラフグにも天然物や他県産の放流個体と識別できるように目印(標識)を施し、瀬戸内海の関係各県と協力して、移動経路や成長、放流の効果を調査しています。昨年度の調査では、令和元年7月に放流した個体がその年の12月以降に府内の漁港に水揚げされているのが確認されました。また、平成30年8月に全長7cm約8gで放流した個体が1年半後の令和2年2月に全長36cm、1kgまで成長して漁獲されているのも確認できました。過去に放流した個体が産卵のため大阪湾に帰ってくる時期にきているとも考えられ、さらに調査を進めていきます。

 

 放流したトラフグは2年で全長40cm、体重1.5kg程度まで成長します。「大阪産(もん)」トラフグとして府内の皆様の食卓に届くことを期待しております。

 

※ 公益財団法人大阪府漁業振興基金栽培事業場・栽培漁業センター

 

 

●トラフグ標識付け作業

日時:7月13日10:00~

場所:大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センター

      (大阪府泉南郡岬町多奈川谷川2926-1)

 

●トラフグ放流(1回目)

 日時:7月15日 10:00~(予定、作業の進行状況により日程は変更します)

 場所:貝塚市二色の浜

 放流尾数:1万尾程度

 

●トラフグ放流(2回目)

 日時:7月17日 13:00~(予定、作業の進行状況により日程は変更します)

 場所:堺市海とのふれあい広場

 放流尾数:1万尾程度

 

 

トラフグの稚魚
 

トラフグ稚魚の飼育現場

 

トラフグ放流(昨年度)

 

令和2年2月漁獲個体(平成30年放流)

 

 

添付資料 

R2トラフグプレスリリース[PDF:227KB]

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