公開日 2021年06月01日
大阪湾では春から秋にかけて、溶けている酸素の量が少ない水のかたまり、貧酸素水塊(※)が発生します。海底近くに貧酸素水塊が発生すると、そこに住む生物が逃避したり、場合によっては死滅するなど、海洋生物の生息環境が悪化し、漁業に悪影響を及ぼします。
環農水研ではこれまで、大阪湾での貧酸素水塊の発生状況についてホームページで速報を提供してきましたが、底層での水平分布のデータのみでした。このたび、これまでの情報に加え、新たに鉛直分布のデータについても情報提供を始めますのでお知らせします。これにより貧酸素水塊が発生している、地点だけでなく、水深が分かるようになります。
環農水研ホームページにおいて公開している「大阪湾水温情報」とともに、漁船や釣り船の運行等の参考情報としてご活用ください。
※貧酸素水塊 海底近くで有機物が分解される際に酸素を消費することで生じる。大阪湾などの内湾では、春から秋にかけて海水が海面から温められて層状になり、表層の温かい水と底層の冷たい水が混ざりにくくなるため発生しやすい。秋以降に海水が冷やされると、表層と底層の海水が混合することで解消される。 |
1 情報提供開始日: 令和3年6月1日
2 情報提供期間: 毎年4月頃から10月下旬まで(予定)
3 更新頻度: 毎月2~4回程度
4 ホームページURL:
https://www.knsk-osaka.jp/suisan/gijutsu/do/index.html
【ホームページ提供情報(例)】
※去年の9月の調査で得られたデータを使用して作成したものです。
左図 貧酸素水塊分布(水平)の例 右図 貧酸素水塊分布(鉛直)の例
海底付近(左図)と水深ごと(右図)の溶存酸素濃度分布を示す。図中の矢印は左図及び右図でそれぞれ対応しており、左図の矢印の方向に従い、右図の矢印の方向に調査点が並ぶことを示す。図中の白い線は溶存酸素濃度が3mg/Lのところを表す。
※「底生生物の生存可能な溶存酸素最低濃度2.0mL/L」(水産用水基準2018年版)より、ここでは溶存酸素濃度3mg/L(≒2.0mL/L)以下の水を貧酸素水塊としています。
内容については、こちらをご覧ください。
添付資料
プレスリリース_貧酸素水塊分布情報_210601[PDF:435KB]
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水産研究部 海域環境グループ
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