大阪府立環境農林水産総合研究所

[水産][報道]トラフグの稚魚を大阪湾に放流します!

公開日 2021年07月13日

 環農水研水産技術センターでは、大阪湾の魚介類資源を増やすため、魚介類の稚魚を育てて、放流する「栽培漁業」を大阪府・栽培漁業センター※とともに推進しています。令和3年6月9日から栽培漁業センターの水槽で育成したトラフグが放流に適した大きさ(全長:70ミリメートル程度)に成長しましたので、下記のとおり大阪湾に放流します!  
※ 公益財団法人大阪府漁業振興基金栽培事業場

 昭和40年頃までは大阪府沿岸でも天然のトラフグが多く漁獲されていましたが、現在は年間で100キログラム程度と少なくなっています。瀬戸内海でも天然のトラフグは減少傾向にあり、貴重な魚となっています。そのため、国や瀬戸内海沿岸の関係府県が連携してトラフグを増やす試みが行われており、その一環として各地で稚魚が放流されています。大阪府でも平成27年度からトラフグを放流技術開発魚種として位置づけ、稚魚を育成して大阪湾に放流しており、今年で7年目となります。

 瀬戸内海産のトラフグには瀬戸内海を西に移動して東シナ海で成長し、産卵のため再び生まれた場所に戻ってくる生態があるといわれています。そのため、放流するトラフグには天然物や他県産の放流個体と識別できるように目印(標識)を施し、瀬戸内海の関係各県と協力して、移動経路や成長、放流の効果を調査しています。また、トラフグを育成する際の特有の問題である尾びれの噛み合いを防ぎ、健康な稚魚を育成する飼育技術の高度化を目指しています。

 昨年度までの調査では7月頃に全長70ミリメートルで放流した個体が、翌年の1月頃には全長約25センチメートルまで成長して大阪湾で漁獲され始めることが確認されています。また、放流1年半後に全長36センチメートル、1キログラムまで成長した個体が漁獲された例もありました。「大阪産(もん)」トラフグとして府内の皆様の食卓に届くことを期待し、さらに調査をすすめていきます。

 

日時: 1回目  7月21日(水曜日) 11時から(予定)

    2回目  7月30日(金曜日) 11時から(予定)

    ※ 作業の進行状況、天候により日程は変更します。

場所: 堺市海とのふれあい広場

 

放流尾数: 各回とも6千尾程度。

 

トラフグの稚魚全長約70ミリメートル

トラフグの飼育現場

トラフグ放流イメージ

令和2年2月漁獲個体 全長36センチメートル(平成30年7月放流)

 

添付資料 

プレスリリース_トラフグ放流(2021年7月13日)[PDF:609KB]

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