公開日 2022年09月21日
環環農水研水産技術センターでは、大阪湾の水産資源を増やすため、稚魚を育て放流する「栽培漁業」を大阪府・漁業振興基金※1とともに推進しています。その一環として2015年(平成27年)からキジハタの稚魚の放流を行っています。このたび、栽培漁業センター※2で卵から育てたキジハタの稚魚が放流に適した大きさ(サイズ:全長8センチメートル、体重約12グラム)に成長しましたので、下記のとおり、10万尾を大阪湾に放流します。
キジハタは大阪では「あこう」と呼ばれ、「夏のあこう」は「冬のふぐ」と並び称される最高級魚です。1990年代後半にはほとんど獲れなくなり、幻の魚とされていましたが、2000年(平成12年)から環農水研が他機関で生産された稚魚を用いて放流試験を行い、放流効果があることを確認しました。2010年(平成24年)からは稚魚の生産に取り組み、安定生産する技術を確立しました。2015年(平成27年)から大阪産の稚魚の大量放流(10万尾)を毎年行っております。また、漁業者自らが積極的に全長28センチメートル以下の小型魚の再放流を行っており、それらの効果によって漁獲量は年間3トン前後まで増えてきています。さらに、環農水研が収集した科学的な知見を基に、大阪府で漁獲されたキジハタのうち一定の基準を満たすものを「魚庭(なにわ)あこう」としてブランド化しています。今後も「あこう」が大阪の名物となるよう調査研究を継続して行い、さらなる資源の増大を目指します。
放流したキジハタは約3年で漁獲サイズ(全長約30センチメートル、体重約500グラム)にまで成長し、府民の皆様の食卓に届くことになりそうです。
※1公益財団法人大阪府漁業振興基金 なお、種苗生産および放流事業は府が「公益財団法人大阪府漁業振興基金」に業務委託し実施しているものです。
※2公益財団法人大阪府漁業振興基金栽培事業場
記
1 放流対象種 キジハタ(あこう)
2 放流尾数 計10万尾
3 放流日時及び放流場所
令和4年9月27日(火曜日) 10時00分から 岬町淡輪地先
10時00分から 岬町小島地先
11時00分から 岬町深日地先
13時30分から 岬町谷川地先
令和4年9月28日(水曜日) 10時00分から阪南市西鳥取地先
13時30分から阪南市箱作地先
令和4年9月29日(木曜日) 10時00分から泉南市樽井地先
13時30分から阪南市尾崎地先
令和4年9月30日(金曜日) 10時00分から田尻町地先
令和4年10月4日(火曜日) 10時00分から泉南市岡田地先
11時00分から泉佐野市地先
13時30分から岸和田市地先
令和4年10月5日(水曜日) 10時00分から泉大津市地先
11時00分から堺市浜寺地先
13時30分から忠岡町地先
令和4年10月6日(木曜日) 10時00分から堺市地先
13時30分から高石市地先
令和4年10月7日(金曜日) 11時00分から岸和田市春木地先
令和4年10月11日(火曜日) 11時30分から大阪市住吉地先
令和4年10月12日(水曜日) 11時30分から大阪市地先
※放流尾数は、各箇所につき5,000尾です。
4 放流後の稚魚の成長予測
今回放流する稚魚は3年で、全長約30センチメートル(約500グラム)に成長し、漁獲対象サイズになります。
5 その他
「魚庭あこう」の基準(平成30年5月に大阪府漁業協同組合連合会刺網部会で協議決定しました。)
(1)全長35センチメートルかつ重さ600グラム以上のもの
(2)傷のないもの、弱っていないもの
(3)漁業者が出荷するときに活魚であるもの
放流するキジハタ稚魚
キジハタの放流風景
※取材上の注意
事前に公益財団法人 大坂府漁業振興基金 栽培事業場(電話番号072-495-0516)までご連絡ください。放流場所等の詳細について説明させていただきます。なお、放流に関しましては、キジハタ種苗の生産状況により尾数が増減する場合があります。また、当日の気象状態により、放流方法や日程、場所等を変更する場合があります。
添付資料
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水産研究部 水産支援グループ
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