公開日 2024年06月27日
環農水研水産技術センターでは、大阪湾の魚介類資源を増やすため、魚介類の子供を育てて、放流する「栽培漁業」を大阪府・公益財団法人大阪府漁業振興基金とともに推進しています。このたび、漁業振興基金が育成したトラフグが放流に適した大きさに成長しましたので下記のとおり大阪湾に放流します。
トラフグは昭和40年頃までは大阪府沿岸でも天然の個体が多く漁獲されていましたが、現在は年間で100キログラム程度と少なくなっており、瀬戸内海全域でも減少傾向にあります。そのため、国や瀬戸内海沿岸の府県が連携してトラフグを増やす取組が行われ、その一環として各地で稚魚が放流されています。大阪府でも平成27年度からトラフグの稚魚を育成して大阪湾に放流しています。
水水産技術センターは放流の技術的サポートを行っており、トラフグの稚魚に大阪府から放流したことが分かるように頭の中にある耳石という硬組織を染色して目印をつけ、関係各県と連携して移動経路や成長を調査しています。初夏に放流したトラフグ稚魚は、翌年の１月頃には全長25センチメートル、体重300グラム程度まで成長して大阪湾で漁獲され始めます。これまでの調査では放流から１年半後に全長40センチメートル、体重1,392グラムに成長した個体も確認されました。また、大阪府から放流した個体が、佐賀県の玄界灘で漁獲されたことも確認されました。
大阪産（もん）トラフグが府民のみなさまの食卓に届くことを期待し、さらに調査をすすめていきます。
１ 放流日時および放流場所
2024年７月２日（火曜日） 11時00分から 海とのふれあい広場
2024年７月３日（水曜日） 11時00分から 海とのふれあい広場
※ 作業の進行状況や当日の天候により日程を変更する可能性があります。
２ 放流尾数
各回とも１万５千尾程度
放流を待つトラフグの稚魚
全長70ミリメートル、体重８グラム程度
トラフグの飼育水槽
トラフグ放流イメージ
（ホースを使ってトラフグを放流）
漁獲された放流トラフグ（2024年３月漁獲）
（40センチメートル、1,392グラム、2022年７月放流由来）
放流するトラフグの耳石につけられた目印
添付資料
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