大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

淡水魚図鑑(在来種)

ア行

オオヨシノボリ

オオヨシノボリ

オオヨシノボリ Rhinogobius fluviatilis はハゼ科ハゼ亜科に属し、北海道を除く全国に分布する。府内では淀川水系と大和川水系で生息記録があるが、報告数は少ない。
河川の中流から上流に生息し、特に早瀬から淵頭にかけての急流部に多い。他のヨシノボリ同様に水生昆虫や付着藻類を食べる雑食性である。 府内の他のヨシノボリ属(カワヨシノボリトウヨシノボリシマヨシノボリ クロヨシノボリゴクラクハゼ)と形態がよく似ているが、本種は名前が示すように大型化する(大阪府産ヨシノボリ類の区別)。 また胸ビレの根元に明瞭な黒色の斑紋があるのも特徴である。
産卵期、産卵生態はシマヨシノボリとほぼ同じである。ふ化した仔魚もシマヨシノボリと同様にすぐに海に下り、2-3ケ月を海で過ごす。 その後、河川に溯上してさらに成長し、2年で産卵する個体が多い。ため池とそれにつながる河川では海に下らず淡水で一生を過ごす陸封型の生活 をおくるものもいるが、府内では確認されていない。大阪府レッドリスト2014「情報不足」。