大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

淡水魚図鑑(外来種)

魚類

コウタイ

コウタイ

本種はタイワンドジョウ科タイワンドジョウ属に属す。カムルチータイワンドジョウなどに近縁で、姿形も似るが、カムルチーやタイワンドジョウと異なり、腹ビレがない(※1)。また、尾柄に縁取りのある黒色眼状斑が存在するのが特徴で、成魚では体側に逆”く”の字形の帯状紋が多数現れる(これらの斑紋は幼魚(※2)などでははっきりしない)。中国では“七星魚”と呼ばれ、食用や漢方薬に利用される。
 カムルチーなどと同様に上鰓器官に呼ばれる器官をもつため、空気呼吸が可能である。そのため、溶存酸素の少ない水域でも生息できる。空気呼吸に依存する割合はかなり高く、空気呼吸の不可能な状況では溺れてしまう場合もあるという。
 自然分布域は台湾島、海南島、長江流域以南の中国。国内へ移入され、一部の水域で定着している。 石垣島での生息記録は台湾島からの移入であるらしい。府内でも高槻市の農業水路で以前から定着が確認されていたが、 最近、淀川にも生息するようになっている。写真の個体(体長18.3㎝)は2009年12月に淀川城北ワンドにおいて採捕されたもの。
 湖沼・河川ともに生息し、夜行性で小魚や小型の甲殻類、水生昆虫などを食べる。日中は草の陰などに潜む。

腹ビレがない

(※1)腹ビレがない

幼魚

(※2)幼魚