淡水魚図鑑(外来種)
魚類
タイワンドジョウ
本種はタイワンドジョウ科タイワンドジョウ属に属す。カムルチー やコウタイなどに近縁で、姿形も似る。特にカムルチーとの区別は難しい。本種では 体側に並ぶ斑紋は多くの場合3列で、各斑紋はカムルチーに比べて小さく数が多い (タイワンドジョウとカムルチーの斑紋比較)(※1)。また、背ビレには暗色の2本の縦条があり背ビレおよび尻ビレの 軟条数はカムルチーより少ない。
自然分布域は福建省以南の中国、ベトナム、台湾島、海南島、フィリピンなど。日本へは1906年に台湾島から大阪府堺市へ移入されたのが最初である。その後、和歌山、兵庫、香川、沖縄などへ分布を広げた。府内では大和川水系や泉州の河川で記録があるが、個体数は多くない。池沼・河川の淀みに生息し、水草の茂ったところに多い。生態や産卵はカムルチーとほぼ同じで、小魚、カエルなどを食べる。鰓腔内に鰓弓が変化した上鰓器官をもち、空気呼吸することができる。
(※1)(タイワンドジョウとカムルチーの斑紋比較)