淡水魚図鑑(外来種)
府内には生息しない種
コクチバス
本種はサンフィシュ科に属し、天然分布域は北米。湖沼や河川の中下流域に生息する。本邦への移入時期は不明であるが、1990年代に長野県の野尻湖で発見され、その後各地で生息が確認されるようになった。現在、長野県野尻湖、木崎湖、青木湖、福島県桧原湖、山梨県本栖湖などの湖沼や千曲川で定着が確認されている。全長30-50 cmに達する。同じ特定外来生物のオオクチバスに似るが、口は小さくて上あごの後端は眼の中央下付近に達する程度で、目の後縁下を越えない(オオクチバスでは上あごの後端が眼の後端の直下よりも後方に達する)(※1)。オオクチバスよりも低水温に対する耐性が強く、また流水域にも適応できる。
本種は疑似餌(ルアー)を用いた釣りの対象として人気が高く、各地で意図的な放流が行なわれてきたことが生息域の拡大につながったことが指摘されている。昔から日本に生息していた在来種を食害することが問題となり、本種の無許可の飼育・譲渡・運搬・放流などは外来生物法で禁止されている。
(※1)口は小さくて上あごの後端は眼の中央下付近に達する程度で、目の後縁下を越えない