大阪府立環境農林水産総合研究所

平成15年度調査結果の概要

平成15年度  調査結果の概要

1 調査地点

  • SPM 

【一般大気環境測定局】

大阪府環境情報センター(現大阪府立環境農林水産総合研究所)
茨木市役所
八尾市役所
富田林市役所
高石市公害監視センター

 

【自動車排出ガス測定局】

高槻市役所
カモドールMBS
東大阪市環境衛生検査センター

 

  • PM

【一般大気環境測定局】

大阪府環境情報センター

 

【自動車排出ガス測定局】

東大阪市環境衛生検査センター

2 調査期間

  • SPM  

 毎月14日間連続捕集

  • PM

 4、7,10,1月14日間連続捕集

3 SPM調査結果の概要

(1)SPM濃度

 夏季は低濃度で、冬季及び春季は高濃度であった。
 特に2月、3月は、黄砂の影響を受けて高濃度となった。
 一般局に比べて自排局の方が高濃度であった。…(図-1参照)
図1

(2)SPM中の金属成分

Ni、Vは臨海工業地域である高石市で高い値を示す傾向が見られた。
 Ti、Fe、Cu、及びSbで、一般局に比べて自排局の方が高い値を示した。

 

(3)SPM中のイオン成分

Cl-及びNO3-は、夏季は低濃度で、冬季及び春季は高濃度であった。…(図-2参照)
 SO42-及びNa+は一般局と自排局とで約1.2倍の濃度差があったが
 その他のイオンでは顕著な濃度差はみられなかった。
図2

(4)SPM中の炭素成分

一般局に比べて、自排局の方が高濃度であった。
 特に元素状炭素濃度では平均値で2.2倍の差があり、自動車排ガスの影響だと考えられる。…(図-3参照)
図3

(5)多環芳香族炭化水素類

春季から夏季にかけて濃度が低く、秋季から冬季にかけて高濃度であった。
 全体的にみると一般局に比べて自排局の方が濃度が高い傾向がある。…(図-4参照)
図4

(6)黄砂の影響を受ける成分(土壌由来成分)

Al、Ti、Mn、Fe、Sr、Ba、Ca2+等は、黄砂の時期に高濃度となった。これらの成分は、土壌に由来するものと考えられる。 …(図-5参照)
図5

(7)局比(自排局/一般局)

局比(一般局での年度平均値に対する自排局での年度平均値の比)が 著しく大きい値であった項目は、Cu及びSb1.7(いずれも自動車のブレーキライニングの素材)、 元素状炭素2.2(ディーゼル排気粒子の主要成分)であった。 これらは、自排局の指標成分と考えられる。

4 PM調査結果の概要

粒径2.1μm以上11μm未満の粒子を「粗大粒子」、粒径粒径2.1μm未満の粒子を「微小粒子」と定義する。

 

(1)PMの粒径分布

約2μmを境とする二山型の分布を示した。


図6

(2)炭素成分の粒径分布

全炭素・・・微小粒子側に偏った粒径分布を示した。
元素状炭素・・・微小粒子側に偏った粒径分布を示した。
有機性炭素・・・二山型の粒径分布を示した。
図7

 (3)各成分の粒径分布

各成分の粒径分布は、下表のとおりであった。

分布 特徴 項目
微小粒子側に偏った分布 主に人為的起源の
可能性が高い
V、Se、Cd、SO42-、NH4+、元素状炭素、多環芳香族炭化水素類
粗大粒子側に偏った分布 主に自然起源の
可能性が高い
Al、Ti、Cr、Fe、Cu、Cl-、Na+、Ca2+
二山型の分布   Mn、Ni、Zn、Sb、NO3-、全炭素

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