大阪府立環境農林水産総合研究所

病名:イカリムシ症

病名:イカリムシ症

とびはねたり、池底に体をこすり付けるような泳ぎ方をする。食欲が落ちることもある。
えらには異常なし。


イカリムシ症の写真

長さ1cmほどの棒状のものがイカリムシ。

多数寄生すると魚が衰弱し、商品価値が低下する。

原因虫:

 寄生性橈脚類「イカリムシ」

治療法:

 有機燐剤トリクロルホンの散布により水中に浮遊している仔虫を駆除する。魚体に寄生している親虫には薬は効かないが、寿命により自然消滅する。夏にイカリムシを駆除するにはトリクロルホン1週間おきに4~5回続けて散布する必要がある。

 また、病魚が少数なら魚を取り上げ、イカリムシをピンセットで抜き取る方法もある。

予防法:

 春先水温が15℃以上になったら1週間以内に1回目の散布を行い、続けて2週間おきに2~3回散布し越冬してきた親虫から生まれた仔虫を駆除するとよい。その後は秋まで月1回の散布で予防できる。 

備考:
  •  池にトリクロルホンを散布する場合は夕方から早朝にかけて行うのが効果的である。
  •  トリクロルホンはエビ、ミジンコ類、巻貝に対して毒性が強いので、これらが必要なところでは使用できない。