大阪府立環境農林水産総合研究所

冬から春の低温対策

冬から春の低温対策

路面の凍結、水道管の凍結や破裂、農作物の管理にご注意いただくとともに、下記の対策に努めてください。

1. 野菜

  • 発芽または定植後の幼苗期はフィルム被覆、マルチ・敷きわら、べたがけ資材の利用等により地温の上昇等に努める。
  • 施設栽培では被覆資材の破損などを補修して、すきま風を防ぎ温度管理を徹底する。
  • 果菜類の育苗に際しては、施設内が多湿となり病害発生の好条件となることから、晴天時の昼間に短時間換気するなど、低温障害を受けないように留意しながら換気を行う。また、病害が発生した場合は、速やかに防除を実施する。
  • なお、露地野菜では積雪後の融水が停滞し、湿害を受けることがあるので、排水路を確保し排水と地温の上昇に努める。

2. 果樹

  • かんきつ類は、低温に弱いので寒害のおそれのある場合は寒冷紗等で被覆し寒風を避ける。なお、防風垣等により冷気が停滞しやすい場所では、防風垣の裾の部分を刈り込んだり、寒冷紗の裾を開けて冷気を逃がす。また寒風により乾燥し易いところは、乾燥防止のため日中の温度が高い時間帯に灌水を行う。
  • 寒害を受けた場合は、事後対策として樹勢回復のため剪定を遅らせたり、枯れ枝のみの除去にとどめる。
  • 結実量が少なく強樹勢になるおそれがある樹では、可能な限り着果させる。副芽や不定芽などから発生した徒長枝は整理し、翌年の結果枝・結果母枝として利用可能な枝は誘因などを実施する。
  • 結実量が少ない樹では枝葉が過繁茂になりやすいため、結実量の減少程度や樹勢に応じて施肥量を減らす。
  • ハウスぶどうの低温対策

休眠期のぶどうは低温に強く、氷点下であっても影響は出にくい(米国系品種はとくに)。しかし、発芽以後になると-1℃で生長点や花房が枯死することが認められている。
よって、発芽以降の生育しているハウスではとくに、以下の対策を行う。

1.無加温ハウス栽培

  • ハウスを点検し、目張り等で隙間を無くするように努める。
  • 家庭用ストーブを4~5台/10a 程度設置する。その際には、ストーブ上部の枝葉が高温害にあわないよう注意する。
  • 氷点下になると予想されるときは、かん水して凍結を防ぐ。

2.加温ハウス栽培

  • ハウスを点検し、目張り等で隙間を無くするようにする。
  • サーモスタットを18℃程度まで設定を上げるとともに、機械や油の点検をおこなう。

3. 花き

  • 発芽または定植後の幼苗期はフィルム被覆、マルチ、べたがけ資材の利用等により地温の上昇等に努める。
  • 露地では凍結した後の寒風により、根の浅い苗では干害を受けることがあるので、灌水して乾燥を防ぐ。
  • その他野菜の対策に準じ対応する。