大阪府立環境農林水産総合研究所

 

大阪府内の河川水中におけるネオニコチノイド系農薬濃度の季節変動の把握及び生態リスク評価

タイトル

大阪府内の河川水中におけるネオニコチノイド系農薬濃度の季節変動の把握及び生態リスク評価

 

(英題) Investigation of seasonal changes and ecological risk assessments of neonicotinoid pesticides in rivers in Osaka, Japan.
 

著者名

大山 浩司、矢吹 芳教、伴野 有彩

 

掲載誌

水環境学会誌, 2019, 42(6):277-284

 

ハイライト

  • 大阪府内の主な河川や農業地域を流れる河川で、ネオニコチノイド系農薬濃度の実態調査を行った。

  • 今回の調査で検出された農薬濃度は、公共用水域にかかる農薬登録基準*1および環境中予測濃度*2よりも低かった。

  • 生態系への複合的な影響評価を行ったところ、農業地帯の河川では5月下旬から6月下旬にかけて、種の感受性分布*3における「影響を受ける種」の割合が、EU等で無影響の基準とされている5パーセントよりも高くなった。

 

*1:農薬の登録を認めるか否かの判断基準の一つで、環境大臣が定めている。河川水質等の公共用水域に関するものとしては人の健康の保護にかかる「水質汚濁に係る農薬登録基準」と、河川等に生息する動植物の保護に係る「水産動植物の被害防止に係る農薬登録基準」の2つがある。
*2:農薬を通常

の使用条件及び一般的な環境で使用した際に、河川における農薬の濃度を予測した値で、モデル式により算出される。新たに農薬を登録する際には、この値が公共用水域に係る農薬登録基準を超過しないことが求められる。

*3:農薬のリスク評価を行うにあたって、全ての生物種で毒性試験を行うことはできない。そこで、確率論的にリスク評価を行うために、種間の感受性差を統計学的に表現したものを「種の感受性分布」として利用している。

 

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