大阪府立環境農林水産総合研究所

 

Larvae of the exotic predatory ladybird Platynaspidius maculosus (Coleoptera: Coccinellidae) on citrus trees: prey aphid species and behavioral interactions with aphid-attending ants in Japan

タイトル

Larvae of the exotic predatory ladybird Platynaspidius maculosus (Coleoptera: Coccinellidae) on citrus trees: prey aphid species and behavioral interactions with aphid-attending ants in Japan

 

(邦題) カンキツ樹上における外来種モンクチビルテントウ(コウチュウ目:テントウムシ科)の幼虫:日本における餌アブラムシ種とアブラムシ随伴アリとの行動上の関係

 

著者名

金子 修治

 

掲載誌

Applied Entomology and Zoology, 2018, 53(1): 85-91

 

ハイライト

  • モンクチビルテントウ*1の幼虫が、様々な柑橘類の新梢を食害するミカンミドリアブラムシ、ミカンクロアブラムシ、ワタアブラムシを捕食することを発見した。飼育実験でも、採集したモンクチビルテントウ幼虫がこれら3種のアブラムシを摂食して成虫にまで発育することを確認した。

  • 野外では、モンクチビルテントウ幼虫のアブラムシ摂食はアリ*2が随伴しているアブラムシのコロニーで観察され、このアブラムシ摂食をアリは物理的に接触しているにも関わらず完全に無視していた。

  • 以上の観察・実験結果に基づき、日本の柑橘樹上でモンクチビルテントウが繁殖する可能性、アブラムシに随伴するアリへの適応の可能性、アブラムシを捕食する在来昆虫に対するモンクチビルテントウの潜在的な影響を検討した。

 

*1:もともと中国、台湾、ベトナムに分布しているテントウムシの一種。日本の中部・南部に侵入している外来種

*2:ここでは、トビイロケアリ・アミメアリ・クロヤマアリ・クロオオアリのうち1種が随伴しているアブラムシコロニーでの観察例。アブラムシとアリは共生関係を築くことがあり、一般には、アブラムシが自身の排せつ物(糖分)を随伴アリに提供し、随伴アリはアブラムシを天敵から守ったりする。

 

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