淡水魚図鑑(在来種)
タ行
ドジョウ
本種はドジョウ科シマドジョウ亜科に属し、日本全土から朝鮮半島・中国大陸・台湾・ ベトナム・ミャンマーまで分布する。府内全域にも広く分布する。しかし以前は、身近にあった小川や水路など に生息し、水田などには特に多く生息していたが、小川や水路の減少、汚濁や農薬の使用にともない、生息数も 少なくなってきた。近年は近縁種で外来のカラドジョウとの競合も 懸念されている(ドジョウとカラドジョウの区別点)。東日本などの地域で は柳川・蒲焼き・みそ汁などいろいろな料理法で食されている。 ふつう2年で成熟するが、早いものは1年で成熟し、4月から6月に小溝の水草やイネ株などに産着させるが、 はなれるものが多く、泥にまみれて発生をつづける。ドジョウの雌雄は 胸ビレの形態(※1)から判別ができ,オスは胸ビレがのびて先がとがる。また胸ビレの根元には 骨質板(※2)をもつ。 おもに底生藻類やその分解物を食べるが、ユスリカ・イトミミズなども食する。酸素欠乏 に対して極めて強く、よく水面へ上がってきて口から空気を吸い、腸呼吸をする。1年で 8~12cm、2年で10~12cmに成長し、雌が著しく大型になる。環境省レッドリスト2020「準絶滅危惧」、大阪府レッドリスト2014「絶滅危惧Ⅱ類」。
(※1)胸ビレの形態
(※2)骨質板