大阪府立環境農林水産総合研究所

病名:滑走細菌性穴あき病、えらぐされ病、ひれ(尾)ぐされ病、(カラムナリス病)

病名:滑走細菌性穴あき病、えらぐされ病、ひれ(尾)ぐされ病、(カラムナリス病)

元気なく水面近くをただよい、食欲もなく死ぬ魚がでる。滑走細菌性穴あき病は体表にただれができ、進行すると筋肉が見えてくる。広くて浅い患部を形成し、一見汚らしく見える。ひれ(尾)ぐされ病はひれや尾の先が腐りかけてくる。えらぐされ病は体表、ひれには異常はなく、えらがところどころ白濁し腐ったようになっている。

滑走細菌性穴あき病のニシキゴイ稚魚

穴あき病に比べ、広く浅い患部を形成する。

初夏~秋に発生しやすく、患部の皮膚が再生しても商品価値が低下する。

ひれ(尾)ぐされ病のフナ稚魚

背びれの中央部と背びれ全体が腐り欠損している。夏/秋に発生しやすい。

えらぐされ病のコイ

えらぶたをあけると、えらが白く腐っているのが見られる。夏~秋にかけて発生しやすく特に稚魚に発生すると死亡率が高い。

原因菌:

 F・カラムナリス菌

治療法:

 まず給餌を止めるか、餌の量を少なくする。新しい水を注入したり、飼育尾数を減らすなど飼育環境を改善する。

えらの寄生虫症からえらぐされ病になる場合が多いので寄生虫がついていれば、寄生虫を駆除するほうが先。群れ全体にまだ食欲があるようならば抗菌剤の経口投与、なければ薬浴を実施する。

予防法:

 過密飼育や水の汚れが発病につながりやすいので良好な飼育環境を保つ。

備考:

 稚魚のえらぐされ病は短期間に高い死亡率を示すことがあるので、早期発見・早期治療が特に重要。